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米中貿易戦争の激化が、ベトナムに好景気をもたらした。まるで、日本の高度成長期のような経済の発展ぶりだ。この状況を予想していた私の知り合いの個人投資家は、ベトナム株の上昇に笑いが止まらない。
ベトナムは2000年代になってから、年率5%以上の経済成長をとげてきた。それが昨年は7.1%と、ASEAN諸国の中でいちばんの成長率を記録した。今年の上半期の成長率も、前年同期比6.8%である。
先の個人投資家は、これまでもっぱらインフラ銘柄を選んで投資してきた。不動産開発のビングループ(VIC)、幅広くビジネスを展開しているホアファットグループ(HPG)、ベトナムのメガバンクであるベトコムバンク(VCB)などだ。しかし、いまや銘柄選びなど無意味だと言う。
「ここまで景気がいいと、どの企業も成長していくからです。ベトナムはなんといっても若い国。国民の平均年齢は31歳です。高齢社会の日本と大違いで、若い人たちは、本当によく働きます。黙って見ていればいいんです」
不動産市場も活発化している。ホーチミンでは続々とニューリッチが誕生し、彼らが外国人投資家とともに高級コンドを買っている。とくに、2区・タオディエンにある物件は値上がりが激しい。タオディエンは、ホーチミンのビバリーヒルズと呼ばれている。日本で言えば、田園調布だ。昔から、外国人や富裕層が住んでいる。
ベトナムでは不動産投資はプレビルドで、実物を見ることはできない。建つのは2、3年先になる。それでも、デベロッパーの販売展示場やモデルルームには、投資家のツアーがひっきりなしに訪れている。
不動産投資家は、「ちょっと物件が立ちすぎではないかと思います。バブルと言う人間もいます。しかし、街が発展しているので、問題ないでしょう」と話す。タオディエンでは、ホーチミンのメトロ1号線が通ることになっているが、開通予定が来年にずれ込んだ。懸念はそれくらいだという。
2019年7月18日、日本経済新聞は『貿易摩擦「中国生産を移管」50社超 アップルやコマツ』という記事を一面に掲載した。この記事のリードは、こう述べていた。
「米国が対中制裁関税を発動して1年が過ぎ、企業が生産拠点を中国外に移す動きが加速している。米アップルが生産を委託する中国企業は、ベトナムでイヤホン生産に乗り出す。米中摩擦が長期化する懸念が強まる中、生産移管を検討する世界の主要企業は日本経済新聞の集計で50社を超えた。外資企業は中国の輸出入の4割を占める。生産移管が本格化すれば中国経済に打撃となる一方、企業も部品調達網の見直しなど負担が増す可能性がある」
日経新聞が取り上げた50社のうち、主なものを、以下、列記しておきたい。
・アップル:中国生産の15~30%を海外に分散するよう主要取引先に促す。中国の電子機器大手、歌爾声学(ゴーテック)を通じ、ワイヤレスイヤホン「エアーポッズ」の生産をベトナムで開始。
・鴻海(ホンハイ):「iPhone」の最新モデルをインド南部で生産する見通し。
・和碩聯合科技(ぺガトロン):通信機器の一部をインドやベトナムに移管。
・HP(ヒューレッドパッカード)、DELL(デル):中国でのノートパソコン生産の最大3割を東南アジアなどへの移管を検討。
・任天堂:主力の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産の一部を中国からベトナムに移す。
・コマツ:建設機械部品の生産をアメリカやタイ、日本に移管。
・アシックス:ランニングシューズの生産の一部をベトナムに移管。
いまから10年ほど前、「チャイナ・プラスワン」という言葉がはやった。これは、中国に拠点を残しながら、もう1国(プラスワン)をどこにするかという意味で使われた。しかし、いまや中国からの完全撤退「チャイナ・ゼロ」になりつつある。
当時、チャイナ・プラスワンを始めたのは、富士ゼロックス、東芝、三菱電機、NEC、大林組などだった。ところが、ユニデンは、すでに2005年にから生産拠点をフィリピン、ベトナムに移転させ、2012年11月には中国にある工場をすべてクローズし、完全撤退していた。藤本秀朗会長は、中国に進出したときから出口戦略を考えていたというから、私はその先見の明に驚いたものだ。
中国が「世界の工場」の座を失いつつあるのは、人件費の高騰が原因だ。そこに、トランプ関税が実施されたことで、中国でモノをつくって輸出するというビジネスモデルが崩壊してしまった。そのため、外資ばかりか、中国企業まで中国を去っている。
すでに、多くの日本企業がベトナムに進出しているが、さらに拠点を拡大させようとしている。例えば、ファーストリテイリングは、取引先縫製工場をこの1年で5ヵ所増やし、44ヵ所にした。工業用ミシンのJUKIは、ベトナムに持っている2つ生産拠点を拡充させた。メイコーは、ハノイにプリント基板の新工場を建設した。また、王子ホールディングスやレンゴーなどは、段ボール需要の高まりから、新たな生産拠点を設けた。
こうなると、ベトナムはますます「世界の工場」になるだろう。ベトナムの人口は9370万人(2017年時点)。1人あたりGDPは約2385ドルで、中国の2007年ごろに相当する。とすれば、豊富で安価な若い労働力からみて、あと10数年は「世界の工場」の座を維持できるだろう。
ベトナム経済の大きな特徴は、男性同様、女性がよく働くことだ。労働人口に占める男女比はほぼ半々なので、「専業主婦」なんて言葉はない。ベトナム女性は、結婚して家に入ることはほんどなく、結婚しても働き続ける。女性がよく働く国は必ず伸びるというが、まさにベトナムがその典型的な例だろう。
ベトナムには上場企業が700社ほどある。そのうちの30社以上の企業のトップが女性である。しかも、女性がトップの企業の時価総額は、全体の2割に達している。ベトナムの女性経営者でもっとも有名なのは、グエン・ティ・フオン・タオさんだ。彼女はまだ49歳と若いが、フォーブス誌の世界女性長者番付(2017年)で、東南アジアで初めてランクインした大富豪である。彼女は、LCCのベトジェットエアー(VJC)の創業者の一人である。
ベトジェットエアーは昨年から日本に就航し、大阪/関西 —ホーチミン便、大阪/関西 —ハノイ便を飛ばしている。そうして、今年の1月からは東京/関西 —ハノイ便も就航した。本稿執筆時点の7月23日から25日まで、「片道100円でベトナムに行こう」というタイムセールを行い、旅行ファンの度肝を抜いた。
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※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2019年07月26日
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