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日本企業のベトナム人気が過熱化している。2016年のジェトロ(日本貿易振興機構)の日系企業調査によると、アジア、オセアニア地域の国の中で、「今後1、2年で事業展開を拡大する」と回答した企業が一番多かったのがベトナムになった(ちなみに2位はインド)。これは、かつての中国ブームに匹敵する人気で、中国ブームが去ったいま、日本企業はみなベトナムを向いていると言っていいだろう。
なぜ、ベトナムがこれほど人気になったのだろうか?進出企業の人間が口をそろえるベトナムの魅力は、なんといっても安価な労働賃金、そして、労働力の質の高さだ。これは、中国ブーム、タイブームのときと同じである。企業はまず、労働力に目をつける。
「ベトナム人の平均月収は約400万ドン。日本円で2万2000円ぐらいといったところ。つまり、この賃金で中国やタイと同じような質の労働者を雇えるのです」と、知人の進出企業人は言う。製造業はとくに賃金を重視する。
ただし、それは郊外の工場などの話で、例えばホーチミン市で月400万ドンで暮らせるかというと、そうではないと言う。
「フォー(ベトナム風ウドン)でも5万ドンくらいはします。ホーチミンの場合、物価は高いのです。したがって人件費も高くなります」
とはいえ、それでも、中国やタイより安いのは確かだ。ベトナムの人口は約9400万人である。そのうち、労働人口が約5500万人とされるが、賃金とともに魅力なのが、その労働力が若いことだ。なにしろ、ベトナムの平均年齢は約31歳なのである。
ベトナムは、じつは資源国でもある。石油、天然ガス、石炭などに恵まれている。とくに石油は、近年、急速に開発が進んでいる。ベトナム最大の油田はホーチミン市の南東方沖合に位置するバクホー油田で、産出油の多くが日本に輸出されている。このバクホー油田に近いブンタウ省沖の南シナ海では、ベトナムの石油会社ペトロベトナムと国際石油メジャーの合弁で新たな油田の開発が進んでいる。そのうちの一つ鉱区は、日本政府が出資している。
こうした資源とともに注目されるのが、ベトナムの交通網が整ってきたこと。ベトナムは国土がインドシナ半島を南北に走り、地理的にもASEANの中心に位置するため、交通網が整えばその魅力は増大する。具体的には、東西回廊でASEAN第2位の経済大国のタイと結ばれ、さらに南北回廊では中国南部と繋がっている。
こうしてベトナムはここ数年、経済成長率5%以上を維持しており、中流層も拡大している、つまり、消費地、市場としての顔を持つようになり、製造業ばかりか、日本の小売・飲食業も続々進出している。ここ数年で、イオンモールも何店か開店し、ホーチミン市では大戸屋などの日本の飲食店が急増している。
以上、ベトナムの人気を概括的に述べてみたが、ベトナムの本当の魅力は、じつは女性パワーではないかと、私は思う。なぜなら、ベトナムではどこへ行っても、女性が男性以上に生き生きと働いているからだ。多くのベトナム企業で、女性が働いている。それも、日本のような単なる事務職、OLとしてではなく、男性に伍して働いている。ベトナム企業では、経理、人事、営業などの部門は、女性社員が独占している。
ベトナム企業と商談すると、営業で女性が男性の部下を連れてやって来るのが珍しくないと、前出の進出企業の人間は言う。また、夫婦でやってくる例も多く、その場合、妻の方が実権を持っていると言うから驚く。
「ベトナムでこれほど女性が働くようになったのは、戦争で男手が少なくなり、必然的に女性が家庭を支えるようになったからだと言います。その結果、いまのベトナム社会は完全な“カカア天下”です。ベトナムでは女性が働くのは当たり前で、日本のような寿退社などはなく、また、産休は半年認められているのに、臨月になっても働いている女性が少なくありません。だから、ここでは女性にいかに上手に働いてもらうかが、企業経営の鍵になります」
2015年に米マスターカードが行なった「女性の進出度調査」によると、調査対象となったアジア太平洋16ヵ国・地域の中で、ベトナムは5位(66ポイント)だった。この調査は、「雇用機会」「高等教育の機会」「リーダーシップ」の3項目で女性の社会進出度を数値化したもの。5位というとたいしたことはないと思うかもしれないが、日本は48.8ポイントと低く、域内平均の59.9ポイントを大きく下回っている。
ちなみに、トップはニュージーランド(77.3ポイント)、2位はオーストラリア(76ポイント)、3位はフィリピン(72.6ポイント)、4位はシンガポール(70.5ポイント)だ。ベトナム企業における女性管理職の割合は23.0%。日本はなんとたったの6.6%である。
米経済誌『フォーブス』が2016年4月に発表した「アジアで最も影響力のある女性企業家トップ50(Asia’s Power Businesswomen)」に、ベトナムからは3人が選ばれている。
乳製品製造大手THミルク(TH Milk)のタイ・ティ・フオン会長(58歳)、格安航空ベトジェットエア(Vietjet Air)のグエン・ティ・フオン・タオ社長(45歳)、フーニュアン・ジュエリー株式会社(Phu Nhuan Jewelry)のカオ・ティ・ゴック・ズン会長(58歳)の3人だ。この3人の素顔を知りたい人は、以下のサイトに飛んでほしい。
⇒「アジアで影響力のある女性企業家」、ベトジェット社長ら3人選出|ベトナム総合情報サイトVIETJO
ちなみに、日本からは4人が選ばれている。ネットセキュリティのトレンドマイクロのエバ・チェン(陳怡樺)代表取締役社長兼CEO、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子取締役、大塚家具の大塚久美子代表取締役社長、アート引越センター(アートコーポレーション)の寺田千代乃代表取締役社長の4人だ。日本とベトナムの経済規模から考えて、日本の4人はあまりに少ないと思いませんか。
以前のこのコラム記事でも書いたが、ベトナムには世界で類を見ない「女性の日」という休日が、年に2回もある。3月8日と10月20日だ。そして、この両日ともバレンタインデーよりも重要なイベントになっていて、男性が女性にプレゼントを贈る。恋人、夫婦に限らない。学校では女生徒、女教師、会社では女性社員が花束をもらう。ホーチミン市では、10月20日の女性の日当日は、朝から深夜までお祭り騒ぎになるという。
現在、ホーチミン市の中心にある「レタントン通り」は、日本人街になっている。通りの両サイドに日系のレストラン、居酒屋、ラーメン店、カフェ、スパなどが軒を連ねる。日本語通じ、日本人店員がいるところも多い。界隈にある「サイゴンスカイガーデン」というマンションは、居住者のほとんどが日本人駐在員で、入り口にはファミリーマートがあり、その隣にはハーゲンダッツのカフェがある。すぐ近くには日本食材専門店「東京ショップ」がある。すでに、ベトナムの日本人人口は1万5000人を超えた。 ベトナム人気はまだまだ続くだろう。
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※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2017年04月24日
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