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【新興ASIAウォッチ/第116回】地球温暖化で東南アジアは住めなくなるのか?

最高気温40℃超えの日々が続く

今年(2023年)は4月に、東京で最高気温25℃を超える「真夏日」が4日も記録された。春の訪れも早く、桜は過去に例がない3月14日に開花した。こうなると、地球温暖化が確実に進んでいることを実感せざるをえない。暑さの記録は日本ばかりではない。東南アジア各地からも聞こえてきた。

まずはタイ。北西部の町タークで4月15日、タイ国内の過去最高気温となる45.4℃が記録された。これまでの最高気温は2016年の44.6℃というから、約1℃も上回ったことになる。ちなみに、タイの最も暑い時期は雨期に入る前の4月というから、4月に過去最高気温を記録するのはおかしくはない。ただ、例年の4月の最高気温の平均は39℃ほどというから、45℃超えはいくらなんでも高すぎる。

続いてはミャンマー。4月17日に北部サガイン地域の町カレワで、4月としては過去最高の44℃を記録した。その翌日の18日、今度は隣国のラオスの古都ルアンパバーンで、42.7℃が記録された。

バングラデシュも40℃を超えた。4月20日、首都ダッカで40.6℃を記録した。40℃超えは60年ぶりのことで、あまりの暑さ続きに、雨季を前にして数百人が集まって雨乞いの踊りを踊ったという。

アジアの猛暑は毎年のことになった

記録的な暑さは東南アジアばかりではない。インドでは4月18日に国内48地点で42℃超えを記録した。最高は東部オリッサ州の44.2℃。西部マハラシュトラ州では屋外の式典に集まった人々が熱中症で倒れ、13人が死亡した。北東部トリプラ州と東部の西ベンガル州では、気温が平年を5℃以上回ったことで学校が閉鎖された。

中国南東部も猛暑に見舞われた。4月18日、雲南省元陽県で過去最高の42.4℃を記録した。中国国内の過去最高気温は42.7℃というから、あと0.3℃で国内記録を更新するところだった。このほか、パキスタン、ネパールなどでも記録的な暑さになった

しかし、この暑さはまだ続くのだという。これからさらに暑くなるというから、もはや「地球温暖化の影響ですね」とすました顔で言っていられない。エルニーニョ現象が発生すると、その年の夏は暑くなるというが、今年は発生する可能性が高いと、気象予報士は言っている。しかし、すでに「今年は」でなくなっている。「毎年」になっている。エルニーニョ現象とは、太平洋東部の海水温が上昇する現象だが、いまや海水温は高いままだ。

バンコク発の時事通信の記事に、気候政策研究機関「クライメート・アナリティックス」の地域リーダー、ファハド・サイード氏のコメントが載っていた。サイード氏は、「タイ、中国、南アジアにおける今年の記録的な暑さは、長期変化傾向に明らかに表れており、今後数年にわたって公衆衛生上の問題を引き起こす可能性がある」と語っている。

つまり、もともと暑い東南アジアだが、その暑さのレベルは今後も上がり続け、元に戻ることはけっしてない。猛暑は毎年のことになったのである。

カーボンニュートラルが世界の目標に

地球温暖化を止めなければならない。そのためには、温暖化の原因であるGHG(温室効果ガス)、とくにCO2を削減しなければならいとして、世界的な合意・枠組みが成立したのは、2015年の「COP21」(第21回国連気候変動枠組条約締約国会議)だった。

このとき結ばれたのが、「パリ協定」である。「パリ協定」の第4条では、世界各国に気候変動対策の行動計画を中心にまとめた「NDC」(Nationally Determined Contribution:国が決定する貢献)を要請した。

以後、世界各国は「パリ協定」の枠組み・要請に沿ってCO2の削減に務めることになり、「カーボンニュートラル」(GHGの排出ネットゼロ)が宣言された。日本は、菅前政権が欧米諸国にならって「2050年カーボンニュートラル」を宣言した。よって、2050年が世界の大勢だが、中国とインドは2060年としている。ASEAN諸国は、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールが2050年、インドネシアが2060年としているが、いずれも明言ではない。

なぜ、中国、インド、ASEAN諸国は、カーボンニュートラルに対して世界の大勢より遅くしたのか、あるいは明言を避けたのだろうか?

ジレンマに陥るASEAN諸国

中国、インド、ASEANは、いま世界で最も経済成長率が高い地域である。その経済成長を支えているのが電力であり、その電力の中核をなしているのが化石燃料、とくに石炭火力である。安価で安定的に発電できる石炭を、CO2を大量に排出するからと削減してしまうと、経済成長に大きく影響する。石炭火力に代わるのが再生可能エネルギー(風力、太陽光など)だが、導入すれば発電コストが跳ね上がる。

それでも、中国は太陽光パネルなどで世界シェアを握っているので、再エネ転換を積極的に図っている。しかし、インドとASEAN諸国は、そうはいかない。中国のようにアクセルを踏む理由もないし、資金もない。ちなみに、日本も石炭火力の削減に消極的なため、欧米諸国から非難の嵐を浴びている。

さらにもう一つ、東南アジアで温暖化が進む大きな要因がある。ASEAN諸国は人口構成が若いうえ、日本と違って毎年、人口そのものが増加しているということだ。人口増はそのままCO2の排出増につながる。つまり、ASEANはカーボンニュートラルへのジレンマに陥っている。

現在、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム(ASEAN 主要 6 カ国)は、2030年までのGHGの排出量の削減目標を設定している。しかし、その先のロードマップはできていない。この状況で、気温上昇が続けばどうなってしまうのか、だいたいの想像はつく。

上昇を1.5℃以内に抑え込むのは無理

ここで確認しておきたいのは、今後、いったいどれくらい気温が上がるかだ。「IPCC」(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の最新のレポート「第6次評価報告書」(6th Assessment Report:AR6、2023年3月)によると、世界の平均気温は産業革命による工業化前と比べて、2011~2020で1.09℃上昇した。陸地内では海面付近よりも1.4~1.7倍の速度で上昇し、北極圏では世界平均の約2倍の速度で上昇したという。

この気温の上昇スピードは過去のどんなときよりも速い。もし、このままのスピードが続けば20年後には1.5℃を超え、2100年には3.2℃まで上昇する。仮に各国が掲げるカーボンニュートラルの目標をすべて達成できても、2.8℃の上昇になるという。

「パリ協定」で設定された目標は2℃、最低でも1.5℃に抑えることだった。1.5℃というのは、それを超えるともうそれ以下の下げるのは無理になるという「ティッピングポイント」である。超えてしまうと、気候変動は激化し、干ばつ、洪水、豪雨、大型台風などが日常的に起こり、あらゆる産業が莫大な被害を被る。農業生産は激減し、食糧危機がやってくる。海水面が上昇し、水没する陸地が出始める。

「AR6」は、このことを強く警告している。そして、このままでは「パリ協定」の目標達成には程遠いと指摘し、1.5℃目標達成には、2025年までにGHGの排出を減少に転じさせなければならいのと訴えた。しかし、ASEANの現状を見れば、それはどう転んでも無理だ。

生きていける限界温度は35℃前後

このままでは猛暑は「激暑」になってしまうだろう。そこで考えるのは、人間はどれくらいの温度まで耐えられるかだ。調べてみると、それは35℃前後のようだ。

人間は哺乳類であり恒温動物なので、外気温が変化しても体温を一定に保ち、多少の暑さ寒さには耐えられるようにできている。ただし、人間の体温は皮膚温度で34℃から36℃、体内では37℃前後で、この水準を保てなくなると生命に危機が及ぶという。つまり、35℃前後というのは、「人間が一定の体温を維持できる温度」ということになる。

しかし、35℃前後というのは、ある程度理論的なもので、実際はもっと低い。しかも、年齢にもよる。健康的な若者であっても、実際に体温調節の保てる温度は30℃から31℃、高齢者となると30℃以下という。気象庁が熱中症の警告を出す温度は28℃以上である。しかし、これは限度であって、快適に暮らせる温度はさらに低い。

となると、今回の東南アジアの猛暑の40℃超えは、もう人間が生きていける気温ではない。体温が42℃を超えると、人間の細胞はダメージを受け始め、45℃を上回ると酵素などのタンパク質が非可逆的に変性し、50℃で細胞は完全に死滅するという。

海水面の上昇で多くの都市が水没する

気温上昇とともに温暖化の進行で懸念されるのが、海水面の上昇だ。「AR6」では、世界平均の海面水位が1901年から2018年の間に約20センチ上昇したとしている。これが今後、温暖化によって加速するという。

温暖化対策がうまくいって2050年カーボンニュートラルが達成された場合、その上昇は2100年で50センチ以下に抑えられる。しかし、温暖化対策に失敗して、いまのままのGHG排出が続いた場合は、63センチ~1.01メートルになると予測されている。ただし、気温上昇が予測以上で南極大陸の氷床の崩壊が始まったりすれば、1.7メートル程度の上昇もあるとしている。

となると、最悪シナリオでは、多くの都市が水没する。近年、アジアで最も早く水没すると話題になったのが、インドネシアの首都ジャカルタだ。ジャカルタは、2021年12月、記録的な豪雨によって大洪水が発生し、一部地域が2.7メートルも水中に沈んだ。そのため、英BBCは「世界でもっとも早く水没する都市」と皮肉った。これに危機感を抱いたインドネシア政府は、首都をジャカルタからジャワ島カリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転することを決めた。

これまで「水没危険都市」として名前が上がったアジアの主な都市は、次のとおりである。
マニラ(フィリピン)、バンコク(タイ)、ホーチミン(ベトナム)、ヤンゴン(ミャンマー)、チェンナイ(インド)、コルカタ(インド)、ダッカ(バングラデシュ)、シンガポール(シンガポール)

はたして今後、東南アジアからインドまでの地域はどうなっていくのだろうか? いや、この地域ばかりではなく、全世界はどうなっていくのだろうか?
それは、今後の温暖化対策、カーボンニュートラル次第としか言えない。

新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2023年04月27日


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