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【新興ASIAウォッチ/第70回】ビジネスの成功に欠かせないアジアワイン

世の中ワイン本がブームに!

バンコクに行くたびに必ず行くところがある。ルーフトップバーだ。じつは、バンコクは世界一ルーフトップバーが多い都市で、ざっと数えただけで30はある。

最近、ワインの本がよく売れている。それも、ビジネスパーソン向けのもので、ビジネスを成功させるためにはワインの知識、教養が欠かせないと説く。しかし、どの本にもアジアのワインについての記述はほぼない。ワインといえば、なんといってもフランス、イタリア、ドイツなどの欧州、そしてアメリカやオーストラリアなどの新世界となるので、アジアまではカバーしきれないのだろう。

そこで、今回は、アジアのワインについて、私見を交えて紹介してみたい。

まず言いたいのは、東南アジア圏でビジネスを成功させたいのなら、あるいは相手国のことをよく知りたいなら、ご当所ワインを飲むのがいいということだ。とくに、ビジネスのディナーやランチでは、ご当所ワインは「コミュニケーションツール」として欠かせない。

もし、相手がワイン通なら、自国のワインについて詳しく教えてくれるだろう。どこでつくられ、どんな味わいで、どんな料理に合うのかということを、おそらくとうとうと語ってくれる。そういう話のなかで、あなたは、その国の風土、食べ物に限らず、人々の暮らしまで自然に知ることができる。

誰もが自分の国についてその良さを話すことは、大好きである。いわゆる「お国自慢」だが、ご当所ワインはそれを引き出してくれる。それによって、相手を気持ちよくさせ、交渉や取引がうまくいくことが多い。ワインを楽しんで、ビジネスもうまくいく。まさに、ワインは一石二鳥の効果がある。

タイワインは太陽の恵みがいっぱい

というわけで、まずタイ。あの常夏の国にご当所ワインがあるのかと思うが、これがある。それも東南アジアで最大級のワイナリーまであり、宿泊して現地料理を楽しみ、料理に合わせてテイスティングができる。

代表的なのが、カオヤイにある「PB・バレー・カオヤイ・ワイナリー」と「グランモンテ」だ。バンコクから車で約3時間、タイの避暑地として有名な世界遺産・カオヤイ国立公園にあるこの2つのワイナリー産のワインは、近年、オーストラリアや香港で数々の賞を受賞している。APECの首脳会議にも提供され、バンコクの一流レストランならどこでも置いてある。

お勧めは、『ピロム・カオヤイリザーブ・テンプラニーリョ』(赤)。酸味とタンニンのバランスが取れていて、フルボディが好きな人ならたまらない。カオヤイは高原のためタイとは思えない涼しい気候で、日本で言えばさしずめ軽井沢。したがって、スペイン原産のテンプラニーリョのような欧州種のブドウも栽培できる。タイは乾季と雨季が明確に分かれていて、乾季にはほとんど雨が降らない。そのため、ブドウは豊富な日照量を浴びて育つ。太陽の恵みがいっぱい詰まったワインができるのだ。

バンコクでビジネスディナーをするならこのワインを頼むといい、値段(市価)も日本円で4000円ほどとけっこう高く、高級ワイン扱いなので、相手も喜ぶだろう。

『モンスーンバレー』はタイNo.1ブランド

バンコクでご当所ワインというとカオヤイも有名だが、必ず勧められるのは『モンスーンバレー』というブランド。このワインは、「サムアム・ワイナリー」という会社がつくっている。サムアム・ワイナリーは、タイ王室の保養地があるホアヒン、バンコクの北東に位置するサラブリ、水上マーケットのあるサムット・サコーンの3ヵ所に自社ブドウ園を所有している。

お勧めは、『モンスーン・バレー・ホワイト』。このワインは、タイ原産種のマラガブランという種を主体にコロンバールとシュナン・ブランがブレンドされていて、どちらかと言うとフルーツワインに近い。パインやパッションフルーツの味わいが楽しめる。

「サムアム・ワイナリー」の一つ、サムット・サコーンでは、ブドウ園が水上に浮かんでいる。水路の間に浮かぶ陸地でブドウが栽培されており、採集は小舟に乗って手積みで行われているという。こんなワイナリーは、世界にないだろう。

ベトナムとインドネシア・バリ島のワイン

タイで本格的なワインづくりが始まったのが、1990年代の半ば。ほかの東南アジア諸国も同じようなものだが、かつてフランスの植民地だったベトナムでは、ハノイ近くのバ・ヴィー高地でフランス人によってブドウ栽培が行われ、昔から自家製ワインがつくられてきた。その伝統があるせいか、ベトナムワインのクオリティは高い。

現在、ベトナムでは比較的涼しい中部の丘陵地帯でブドウが栽培され、ワインがつくられている。代表的な産地は、リゾート地としても有名なダラット。『ダラットワイン』はカーディナルワインの一種で、マルベリー(桑の実)が加えているので、ほんのりとした酸味と苦みが特徴だ。ご当所ワインだけあって、これがベトナム料理によくマッチする。とくに、魚醤「ヌックマム」を使用した料理には最適だ。ホーチミンでもハノイでもスーパーで売られており、値段も日本円で500円程度と手頃なので、ぜひ試してみるといい。

まさかと思うが、インドネシアにもご当所ワインはある。観光地バリ島では、インドネシアがイスラム国で飲酒が禁止されているにもかかわらず、ワインがつくられている。 有名なのが『ハッテンワイン』。バリ島のレストラン、バーに行けばどこにでも置いてあり、スーパーでも売られている。イスラム国だけに、輸入ワインは高関税がかけられて高いのでけっこう人気がある。

バリ島のバーで聞いたところ、「バリにはワインメーカーが3つあります」と言うので驚いたことがある。1つ目が前記した老舗の『ハッテンワイン』で、赤・白・ロゼなどラインナップが幅広く整っている。2つ目は数年前に登場した『プラガワイン』。3つ目がつい最近登場したという『アモーレ』。いずれも、デザートワインのように甘い。したがって、東南アジアの辛い食べ物と相性がいい。

まさかのクオリティ、ミャンマーワイン

数年前、ミャンマーに行ったとき、独立の英雄アウンサン将軍の事務所跡をレストランにした『ハウス・オブ・メモリーズ』に行き、ワインを注文した。「ミャンマーのワインで最高級のものを飲みたい」と言って、現地の人間に勧められたのが、孔雀のマークのワインブランド『Aythaya』(エタヤ)だった。赤と白があるというので、どちらも注文して飲んでみたが意外にいける。私の好きな濃いめで甘さも十分にあった。値段は最高級といっても1本1500円ほど。

「エタヤワインは、1999年にドイツ人によってつくられた会社『ミャンマー・ファースト・ヴィンヤード・エステート』が製造元です。シャン州の標高1100メートルの高原にワイナリーがあります。白の方はミャンマー料理にぴったりですよ」
と、説明されたが、そのとおり、料理によく合った。

ミャンマーには、ご当所ワインが楽しめるワイナリーもある。場所は、高原リゾートが楽しめる観光地として有名なインレー湖のほとり。ここにある「レッド・マウンテン・エステイト・ヴィンヤード&ワイナリー」は、観光客に大人気だという。

シンガポール、マレーシアでワインを飲む

ここまで、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーのワインについて述べてきたが、東南アジアの中心はなんといってもシンガポール。ところが、シンガポールは狭い島国だけに、ご当所ワインがない。街のリカーショップに行くと、世界各国のワインが置いてあるが、いちばん多いのは距離的に近いオーストラリアのワインだ。

ただし、シンガポールはオフショアだというのに酒税は高く、ビール→ワイン→日本酒→ウィスキーの順に税率がアップしていく。たとえば、ワインバーでフランスワインを頼めば1杯1200円以上になる。そこで、現地の人間に聞くと、「オーストラリア系のワインバー&レストラン『Wine Connection』がコスパがいい」と勧められた。行ってみるとそのとおりで、私の好きなオーストラリア産のシラーズのブランドワインはすべてそろっていた。

シンガポールのお隣マレーシアは、イスラム国だけに飲酒は禁止。しかし、クアラルンプールにはワインバーは多いし、レストランはどこでもワインリストを出してくる。オーストラリアのワインが中心だが、酒税が高いのでバイザグラスで注文すると日本の2倍、3倍はする。ところがビールの方は酒税が安いので、庶民(イスラム以外の)はもっぱらビールを飲んでいる。

それでも、欧米人、あるいは現地のビジネスパースンと食事をする場合はワインが中心。マレーシアにはご当所ワインがあるにはあるが、みなデザートワイン、フルーツワインの類いなので、オーストラリアワインを取ることになる。ただ、インド人はなんと「国のワインにいいのがある」と言うので、それを取ってみて、初めてインドワインの実力を知った。

インドワイン『スラ』は世界ブランド

じつは、インドワインはいまや世界的な名声を得ていて、『SURA』(スラ)ブランドのワインはその筆頭と言えるだろう。すでに欧州各国で販売されていて、三つ星シェフのアラン・デュカキスの店でもサーブされているという。「スラ・ヴィンヤーズ」のワインナリーは、インド西部の都市ムンバイから約180キロ北東に離れたナシクの町にあり、ここの気候がブドウ栽培に適しているという。土壌もカリフォルニアのワイナリーの土壌に近いとか。

ここにワイナリーがつくられたのは1997年。アメリカ帰りの現オーナーが開設し、ソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブランを植えると、2000年に初めてのワインが誕生した。いまでは、メルロー、シラー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのワインも生産されている。

お勧めは、『スラ、ソーヴィニヨン・ブラン』(白)。ハーブを彷彿とさせるアロマ系で、なんとカレー料理とよく合う。インドでは、紀元前4世紀頃からワインづくりの文化が栄えてきたという。それが、19世紀にいったん禁酒令の影響から停滞したが、いまや堂々のワイン生産国になったと、知人のインド人実業家は「お国自慢」をする。

私はブドウの品種ではシラーが好きなので、『スラ・ヴィンヤーズ・シラーズ』(赤)を飲む(いまでは、アマゾンでも楽天でも通販で買える)が、完熟感いっぱいのなか、ペッパーとオークが混ざり合った微妙なニュアンスがたまらない。

以上、あまり知られていないアジアのワインを紹介してみたが、アジア圏の国に行ったらなら、その地にあるご当所ワインを飲まれることを勧めたい。ワインは、必ずあなたの未来を切り開く。

新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2019年05月28日


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