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【新興ASIAウォッチ/第35回】アジア各国「母の教え」(2) ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマー

■「母の教え」は世界共通
前回に続いて、アジア各国の「母の教え」を紹介したい。これは、私が10年ほど前に、日本に在住している外国人100人に行ったインタビューの中から、アジアから来た人たちを選んだものだ。この時のインタビューのテーマは、「あなたはご両親、とくに母親からどんなことを教えられて育ちましたか?」で、そう聞いてみて驚いたのは、世界中、親が子供に言うことはほとんど同じということだった。

歴史、文化、社会は違っても、人間がどう生きていくべきか?は、世界中で共通している。先進国だろうと途上国だろうと、母親が言うことは、「ウソをついてはいけません」「人には親切にしなさい」「親切にされたら必ずありがとうと言いなさい」などで、その言い方とたとえ話が違うだけだった。とくに「ウソをついてはいけません」は、すべての国の母親が子供に口を酸っぱくして言っていた。

というわけで、前回はインド、バングラディシュ、タイ、マレーシアを紹介したが、今回はベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマーを紹介したい。


■《ベトナムの母の教え》「魚は塩を入れないと腐ってしまう」「ハチミツにたかるハエは殺される」
東京工業大学の大学院に留学中だったズオン・ヴェット・クアンくん(25)は、ハノイ出身。両親はともに学校教師で、ハノイ工科大学2年生のときに奨学金をもらって日本に来た。専門は電子工学で、「勉強は楽しい」と言った。

「私は長男でしたので、小学校2年生のときから、家のことを全部手伝いました。台所に入って家族の食事の支度もしました。家には祖父母がいましたが、ベトナムでは老人を敬うので、祖父母が家事をするということは考えられないのです。
父と母がよく言っていたのは、『魚は塩を入れないと腐ってしまう』ということでした。どういう意味かと言うと、塩は辛いので、その辛いことを我慢しないと魚は腐ります。つまり、我慢して勉強しなさいということです。どんなにつらく苦しいことでも我慢してやっていけば、必ずうまくいく。立派な人間になれるということです」

「ウソをついてはいけない。人には親切にしなさいとも、よく言われました。そして、かならず、親の言うこと、目上の人の言うことを聞きなさいとも言われました。そんな中で、『ハチミツにたかるハエは殺される』という諺も聞かされました。ベトナムはハエが多いんです。ハエを殺すときは甘いハチミツで集めて一気に殺してしまいます。つまり、なんでも美味しい楽なことばかりやっていると、最後には殺されてしまう。甘い言葉に騙されるなということです。
日本に来て驚いたのは、これと同じ教えがあることです。『甘言に惑わされるな』がそれです。ベトナム人は真面目でよく働くと言われますが、こうした親の教えを守っているからだと思います」


■《フィリピンの母の教え》「デートは外でしてはダメ。家に連れて来なさい」
マニラ出身で、モデルやタレントとして活躍していたマリル・ハウシャンさん(34)は、「父は厳しくありませんでしたが、母や祖母は本当に厳しかった」と言った。フィリピンは女性が強い国で、女から女へといろいろなことが語り継がれる。

「母やおばあちゃんは、古い言い伝えをとても大事にしていました。たとえば、『ツボの中にお塩をいっぱい入れておくと幸運がやって来る』とか、『食事の最中に席を立つと縁起が悪い。席を離れる時は、お茶碗を3回回してから席を立ちなさい』とよく言われました。また、お金が貯まるおまじないがあって、それはなにかと言うと、『お財布にお札をしまうときは、肖像の頭が先になるように入れろ』とか、『部屋の片隅には必ずコインを置いておきなさい』とか。
そういう家で育ったんですが、母がいちばん言ったのは、『結婚するまで絶対にバージンでいなさい』です。高校生になってからは、本当に厳しくて、外でデートは禁止。男の子と親しくなったら、必ず家に連れて来ることが決まりで、外で会ったら叱られました」

「大人になって私が日本に行きたいと言ったら、母も父も大反対。それまでやさしかった父も反対しました。でも、『自分のやっていることに常にプライドを持ちなさい。持てないことはやってはいけない』と言ってくれて、送り出してくれました。つらいことがあってもその言葉を思い出してがんばっています」


■《インドネシアの母の教え》「女の人を大切にする男になりなさい」
大阪外大を経て一橋大学に留学していたハディ・ブルマナくん(26)は、ジャカルタ出身。インドネシアでも裕福な家庭で育った。インドネシアはイスラムの国だが、小・中・高とキリスト教系の学校に通った。ゼンソクがあって体が弱かったので、父親からは「男なら強くならなければダメだ」とよく言われたという。

「私の母は無口な方で、私が学校でいじめられて帰ってきたときはやさしい言葉をかけてくれましたが、助けてはくれませんでした。インドネシアでは父親が絶対なんです。母親は父親の意見に従うだけです。それで、なんでも『お父さんに聞きなさい』と言うんです。それで、父親に訴えると、『子供同士の問題は子供同士で解決しなければいけない』と言われました。母は隠し事ができない人で、私にもそのことはずっと言っていました。『お父さんにウソをついてはいけませんよ。隠し事はダメですよ』と。

父と母は趣味がまったく違い、父は週末になると郊外の別荘に庭いじりに行ってしまいます。母は音楽と映画が趣味で、週末は母がよく映画に連れて行ってくれました。そういうとき、母は『女の人を大切にする男になりなさい。神様はいつも見ていますよ』と言いました。そういう中で育ったので、女は男に従うものとずっと思ってきました。日本もドラマの『おしん』を見たことがあるのでそうだと思っていましたが、来てみたら全然違うのでびっくりしました」


■《ミャンマーの母の教え》「自分にも他人にもウソはついてはいけない。自分に正直に生きない」
日本人と結婚して1979年に来日したというイイキン・ヒラヤマさん(45)は、主婦のかたわら通訳をしていた。生まれは『ビルマの竪琴』のムトーという町、ここで23歳まで暮らした。父親は中国で生まれ育った日本人で医者、母親はミャンマー人。4人姉妹の長女。

「主人と知り合ったのはヤンゴンで叔母の家から日本語学校に通っていたとき。主人は日本企業の駐在員で、私を日本人と間違えて声をかけてきました。ヤンゴンでは、日本人に騙された女性をいっぱい見てきたので、すごく警戒しましたが、いい人だったので、日本に留学するのと同時に結婚しました。主人の実家は猛反対でした。私の方も反対でした。
とくに母は『騙されている。二号さんになるだけではないの。浮気して捨てられたらどうするの』と心配しました。ミャンマーは仏教の教えが厳しいので、その反動で親の言うことを聞かずに駆け落ちしてしまう男女が多いのです。『親の顔に泥塗ってはダメ』と、よく言われました。それでも、最後は好きな人といっしょになるならと認めてくれました」

「母は『人を悲しませるのがいちばんいけない。そうするとその報いが必ず来る』と言っていました。また、『先に生まれた人は人生をよく知っている。年上の人の言うことよく聞きなさい』と、学校に通い出してからずっと言われました。小さいときは、学校でよくいじめられましたが、母は『やましいところがないなら、堂々としていないさい』と言いました。
仏教の教えもあり、ミャンマーでは目上の人は絶対です。ウチの中でも、子供はソファの上に座ってはいけません。ソファは大人だけのもので、子供は床に座ります。父も母も『ウソはダメ。自分にも他人にもウソはついてはいけない。自分に正直に生きない』と言って、私を日本に来させてくれたのです」


新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2016年04月25日


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