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【新興ASIAウォッチ/第34回】アジア各国「母の教え」(1) インド、バングラディシュ、タイ、マレーシア

■世界は究極的には異文明同士がぶつかり合う?
グローバル化で世界は狭くなったというのに、いまも世界各地で紛争が起き、テロも頻発している。毎日のように、そうしたニュースが伝えられ、そのたびにテレビで専門家が「宗教の違い」「民族の違い」などと解説しているのを聞くと、なぜか違和感を覚える。同じ人間なのに、それほど違うものなのか?と、首を傾げたくなるからだ。

21世紀になった時、ハーバード大学のサミエル・ハンチントン教授が『文明の衝突』という本の中で、これからの世界は究極的には異文明同士がぶつかり合うようになるだろうと予測した。確かに、教授の言うとおりになっている。

しかし、民族や宗教、文化が違うと、人間は必ずぶつかり合うものなのだろうか? 人間は人間であるということに変わりないのだから、努力すれば必ず理解し合えるのではないか? と考えて、10年ほど前、日本にいる外国人約100人をインタビュー取材したことがある。


■先進国だろうと途上国だろうと母の教えは同じ
この時、私がインタビューのテーマの一つに選んだのは、「あなたはご両親、とくに母親からどんなことを教えられて育ちましたか?」だった。なぜなら、親は子に必ず何かを伝えるが、それは世界各国でそれほど違っているはずがない。「母の教え」に変わりがなければ人は民族や宗教を超えて理解し合える、と思ったからだ。

では、結果はどうだっただろうか?
約100人の外国人は、じつにさまざまな話をしてくれたが、親から教えられたことはほぼ同じだった。先進国だろうと途上国だろうと、母親が言うことは、「ウソをついてはいけません」「人には親切にしなさい」「親切にされたら必ずありがとうと言いなさい」などで、その言い方と例え話が違うだけだった。

そこで、今回から2回に分けて、当時のインタビューテープから、アジア各国の「母の教え」を紹介してみたい。なお、インタビューに応じくれた人たちの年齢と職業は当時のままにしておいた。


■《インドの母の教え》「神さまを信じなさい。生きているものはみな神さまです」
茨城県にあるコンクリート会社の工場で、工場長として働いていたアビンダー・シンさん(38)は、いつもこう母親に言われていたと言った。6人きょうだいの5番目。パンジャブ州の出身で、父親も母親も厳格で厳しく育てられたと言う。その厳しい父親の死とともに、紛争ばかりの故郷を飛び出し、香港で働き、その後、日本に来て日本人と結婚して定住した。

「オヤジがいつも言っていたのは、『人生は一生勉強、いくつになっても勉強。どんな人間と会ってもその人のことを勉強しろ』ということでした。シーク教徒は自分をパーフェクトと思ってはいけないんです。オフクロも厳しかったですが、優しいところもいっぱい。ボクが日本で結婚した時、『絶対に離婚してはダメ。一生一緒に暮らしなさい』と言われました。
オフクロの口癖は、『神さまを信じなさい』でした。神さまと言っても、シークの神さまではなく、『生きているものはみな神さまです』と言うのです。『人間は誰も悪くない。愛しなさい。恨んではいけません』と言っていました。
日本に来て、インドと違うのでいろいろヘンだと思ったけど、これは文化の違い。仕方ないです。ただ、人間はみな同じ。オフクロが言っていたように、みな神さまと思えば、ストレスなんてなくなりますよ」


■《バングラディシュの母の教え》「上を向いて唾を吐いたら、自分に落ちてくる」
東京・築地でインド料理店をやっているポール・アメッドさん(35)は、バングラディシュでも上流の家庭で育った。父親は工場経営者で、母親は代々の芸能ファミリーの出身。4人きょうだいの3番目。姉はアメリカで大学教授になり、弟たちはカナダと、みな海外に出て暮らしている。国立ダッカ大学の学生だったとき、民主化運動をやって投獄され、出所後、先に出所した同級生が日本に来ていたので、その誘いで来日した。

「ウチはバングラの一般家庭と比べたら豊かで、メイドさんもいたし、イスラムの国なのにお酒もタバコもありました。もちろん、子供は絶対に飲んではいけませんが、私の周りの大人たちはみなお酒を飲んでいました。それで、私もいまではお酒を飲みます。だだ、母は私が酔って電話すると、必ず『いいかげんにしなさい』と怒ります。
コーランの教えの中で、母がいつも言っていたのは、『上を向いて唾を吐いたら、自分に落ちてくる』でした。また、『上を向いて歩くと必ず転ぶ』とも言っていました。これは、そのままの意味ではなく、慢心すると必ず失敗するということです。父は私が中学2年のときに亡くなりましたが、いつも言っていたのは『勉強して大学に行け』でした。自分が大学を出ていなかったからです」

「日本に来て思うのは、イスラムの国と比べたらはるかに自由でなんでもできるのに、みんな同じようにしていることです。私は、ワゴン車でランチサービスもやっていますが、最初は誰も近寄ってきません。これでは売れないと思うと、誰か一人がやって来てほっとします。すると、次々に並んで列ができ、あっという間に売り切れます。日本人はみんな自分からは行動しない、おとなしい。不思議です」


■《タイの母の教え》「ご飯を一粒でも残したら、川まで運んでいって捨ててきなさい」
タイの北部にあるピチットという町の出身で、チェンマイで大学に行きながら日本語学校に通ったサエンウライワン・ガモンワンさん(32)は、タイで旅行ガイドをした後、28歳で共立女子大の大学院に留学するため日本に来た。履修後、日本で出版関係の仕事に就いていた。4人きょうだいの末っ子で、両親を早く亡くしたため、10歳年上の姉が親代わりになって育ててくれたという。

「父も母もけっこう厳しかったです。二人とも働き者でした。末っ子と言っても甘やかしてはくれず、『自分のしたいことがあったら、勉強して、自分でチャンスを見つけなさい』と、母は口を酸っぱくして言っていました。だから、今日まで、私は全部自分一人で決めて、おカネを貯めて日本に来たんです。
母も父も、ご飯の時、よく言っていたのは、『ご飯を一粒でも残したら、川まで運んでいって捨てて来なさい』でした。こう言われると、ウチから川まで遠いので、食べ残したりしません。母が言いたかったのは、農家の人がつくってくれたものを粗末にしてはいけないということだったと思います。日本に来てびっくりしたのは、子供たちが平気でご飯を残していることです。『もったいない』という言葉があるのに、日本のお母さんたちは、誰も守っていないのを見ると悲しくなります」


■《マレーシアの母の教え》「ウソをつくと地獄に落ちて閻魔大王に舌を抜かれる」
東京でマレーシア料理店を経営しているタン・ユン・ナンさん(28)は、中部ケダ州の貧しい村の出身。両親は中国系で、小学校3年のとき首都クアランプールで料理店を開いた父の下で修行し、料理人となって日本にやって来た。父親が出稼ぎに出ていたため、幼少期は主に祖母に育てられたという。

「私は“おばあちゃん子”です。おばあちゃんと母がいつも言っていたのは、『ウソをつくと地獄に落ちて閻魔大王に舌を抜かれる』でした。小さかったので閻魔大王と聞いてもピンときませんでした。また、『人を騙すな』ともよく言われました。
それには理由があります。小学2年生の時、村にいつもやって来る屋台のラーメン屋さんのラーメンが食べたくてたまらなくなり、家で飼っていたアヒルの卵を盗んだんです。卵とラーメンを交換しようと思ったんです。ラーメン屋さんはOKしてくれ、ラーメンを食べて帰ると、おばあちゃんと母が『おや、卵が一つ足りない』と言っていました。私は怖くなり、その場から逃げました。多分、二人とも私がやったとわかっていたと思います」

「マレーシアの子供たちは、小さい時から親や学校の先生から将来何になると聞かれます。そうして、『大きな夢を持て』と、いつも言われます。私の場合は、働いておカネを貯めて父と同じようなお店を持つことでした。
父がいつも言っていたのは、中国の教えの『一寸光陰一寸金、寸金難買寸光陰』です。光陰は時間で、金はおカネ。つまり、一寸の光陰は一寸のおカネと同じ。英語で言うと、『タイム・イズ・マネー』、日本語だと『時は金なり』だと思います。日本に来て思ったのは、時間よりお金の方が大切な人が多いのではということです」


■「ウソをつくな」は世界共通の「母の教え」
どうだろうか?「母の教え」は、日本とほとんど変わらないと思われたのではないだろうか? マレーシアの母の教え「ウソをつくと地獄に落ちて閻魔大王に舌を抜かれる」は、日本でもそっくりそのままである。

じつは、私自身も驚いたが、アジアばかりか世界中の「母の教え」は、ほぼ同じだった。ヨーロッパでも北米、中南米、アフリカでも、母たちは必ず「ウソをつくな」と子供に言い聞かせていた。例えば、 南米コロンビアでは、「ウソをつくとマゾリモンテ(魔女)に森に連れて行かれる」と言うそうだ。また、ベルギーでは「どんなにウソが足が速くても、本当のことは必ず後から追いつく」と言い聞かせられるという。

また、「お米を残してはいけない」も、お米が主食の国では世界共通だ。私の知人にアフリカのギニアから来たオスマン・サンコン氏がいるが、彼は小さい時「ご飯一粒でも残したら神さまの罰が当たる」と言われ、残すと父親から叩かれたという。

*次回は、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマー編をお届けする予定です。


新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2016年03月28日


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