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【新興ASIAウォッチ/第23回】成功するためのアジア「母子留学」

■「わが子に英語を」という親の願い
ここ数年、アジア諸国への「母子留学」が急増している。留学といえば、私の年代では欧米が中心だった。それが、いまや圧倒的にアジアであり、それも高等教育(大学)ではなく初等教育の段階で母と子が一緒に留学・移住している。
例えば、深夜に羽田を発つシンガポールエアラインに乗ると、そういう母子をたまに見かけることがある。そういう母子は、朝、チャンギ国際空港に着くと、その足でマレーシアのジョホールバルに向かう。ジョホールバルにあるインターナショナルスクール(以下インター)は、いまやこうした「母子留学」の受け入れ先として最も人気がある。

私もこれまで何度か、「母子留学」について相談を受けた。知り合いを通して相談に来た方は、30代から40代の夫婦が多く、夫はエリートサラリーマンや医者、弁護士、起業家で、妻は専業主婦。双方かどちらかに、学生時代の留学経験があった。
だから、「わが子に英語を」というのが、こういう親たちの最大の願いだ。

「やはり、小さいときから英語を入れておかないとダメだと思うんですよ。でも、日本ではこれができません」と、みなさん口をそろえた。日本の文科省は、やっと小学校低学年からの英語教育の導入を決めた。しかし、それは2020年ごろになるというので、「そんなのを待っていられません。それに、日本の英語教育なんて信用できません」と言うのだ。


■アジアの英語教育は欧米と遜色ない
私は教育の専門家ではない。娘は日本のインター育ちで大学と大学院はアメリカだったから、アメリカの教育事情には詳しいが、アジアとなると、そこまで詳しくない。
「いや、だからこそ聞きたいんです。例えば、シンガポールやマレーシアのインターはアメリカと比べてどうかと……」
じつは、これは私自身も興味があることだったので、あるときから、アジアに取材に出かけたついでに、現地のインターや現地校を訪ね、そこにお子さんを通わせている親や関係者の話を聞いた。

そうして出た結論はこうである。
「国際教育、多文化教育という面ではアジアのインターでも問題ないと思います。英語力という面でも欧米と遜色ないと思います。ですから、行くと決めたなら早いほうがいい。ただし…」
「ただし…と言いますと」
「留意すべき点が二つあります。これをよく考えてから行ってください」


■最終的にはアメリカの大学を目指す
私が思う留意すべき二つの点とは、一つは、日本文化と日本語に関しては親が責任を持って教えること。もう一つは、高等教育(大学)は、できればアメリカに行かせるということ。この二つを覚悟しないで行くと、いい結果を生まないということだ。

日本のインターなら、学校を出ればそこは日本社会である。だから、日本語も日本文化も、親が格別に意識しなくとも子供は身につける。また、インターによっては、現地文化ということで、日本語の選択クラスを設けているところもある。しかし、アジアとなれば、そうはいかない。親、つまり母子留学なら母親が、意識してこれをしないと、子供は自分のルーツを忘れてしまう可能性がある。だから、バンコク、シンガポール、クアラルンプールなど、日本人学校があるところでは、母子留学しても週末には日本人学校に通わせている親たちがいる。しかし、日本人学校がないところでは、親が意識してやらねばならない。

アメリカの大学進学というのは、これは欧米が日本以上の学歴社会だからである。日本と違って出身大学はさほど問題とされない。ただし、どこの大学でなんの学位を取ったかは必ず問われる。もちろん、日本の大学の学位はほとんど相手にされない。
また、英語の面から言っても、アメリカ英語に直接触れることは大事だ。というのは、シンガポールやマレーシアだと、小さい子はシングリッシュ(シンガポール英語)やマングリッシュ(マレーシア英語)に染まってしまう恐れがあるからだ。

もし将来、子供をグローバル企業で活躍させたいと願うなら、学位は必須である。ただし、欧米企業はやはりアジア圏の大学卒業生を軽視する。シンガポールでもアメリカの大学のMBAやINSEADの学位は取れる。しかし、MBAに関してはどこで取ったが重要視される。ハーバードのビジネススクールやMITのスローンスクールなどが最上で、例えば州立大学のMBAだと、採用時の給料は格段に低くなる。この点だけを言うと、シンガポール国立大学の方がはるかにマシだ。


■オンキャンパス教育で人脈づくり
母子留学希望者は、子供の大学進学に関しては、日本の大学への進学をあまり考えていない。一部の親は、母子留学を帰国子女枠がある日本の大学狙いと考えているが、たいていは欧米進学を希望している。だから、私の話は興味を持って聞いてくれる。
ただ、アメリカ大学進学のもう一つの理由は、オンキャンパス教育にある。
「シンガポールにはいまイエール大学の現地校もありますが、やはり、アメリカの大学で世界から集まった留学生とオンキャンパスで暮らす。最終的にこれをしないと、留学した成果は薄くなると思います」

私がオンキャンパス教育にこだわるのは、それによって子供たちの絆が深まり、卒業後も深い付き合いが続くからだ。日本の大学は、自宅通学、下宿通学がほとんどである。この弊害は大きい。高等教育は勉学が第一だが、それによって得られるものは、同じように勉強した仲間とのネットワークである。これが、子供たちの生涯の財産になる。それが、アジア圏の高等教育ではなかなか得られない。

つまり、アジア母子留学といっても、単に「子供に英語を話させたい」ではうまくいかない。高等教育というゴールを見据えたうえで選択するのが望ましいというのが、私の結論だ。
じつは、私も娘をインターに入れたとき、そこの校長からこう言われた。
「私どもはお子さんを、将来、アメリカの大学に進学させるための教育をしています。ですから、それを望まない、またその覚悟がないのでしたら、お止めになったほうがいいと思います」


■なぜアジア留学を選択するのか?
欧米よりアジアを選ぶ。その理由は、よく聞いてみると、欧米は日本人にとってハードルが高すぎるからである。とくに母子留学となると、ビザの問題、費用の問題で、「ちょっと無理です」という親御さんは多い。現在、シンガポールは学費も生活費も高騰したので、母子留学といってもアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどの英語圏諸国と変わらない。シンガポールに母子留学するなら、最低でも月に100万円はかかるとみたほうがいい。

ただし、マレーシアやフィリピンなら、そこまでかからない。マレーシアもフィリピンも物価と教育費は安く、こと英語教育という面では日本よりはるかに水準が高い。例えば、フィリピンのセブ島には数校のインターがあり、日系企業も多く進出しているので、母子留学には向いている。しかも、学費と生活費は、例えばカナダのバンクーバーに留学させたときの半分以下で済む。これは、タイのバンコクでも同じだ。

ただし、ときどき「現地校はどうですか?」と聞かれることがある。現地校というのが公立校を指すなら、それは無理である。例えば、フィリピンの場合、両親のどちらかがフィリピン国籍でなければ公立には行けない。そこで、プライベートスクール(私立)となると、これもまず無理だ。
私の知人の現地駐在員は、インターより学費が安いので、娘を現地のプライベートに入れたが、学校から専属ベビーシッターによる送り迎えと授業中の待機を要求された。もう10年以上前の話だが、いまもこれは変わらないという。それに、彼らは、英語ができた。あまりできないのに、いきなりはどう考えても無理だ。


■日本の感覚でいると必ず失敗する
最近、母子留学の穴場として注目されているのが、インドネシアだ。
首都ジャカルタには、もちろんインターがあるが、外国人向けのプリスクールも多い。そこで、子供をまずプリスクールに通わせ、母親は英語スクールに通い、母子で英語留学というパターンができているのだという。母子留学といえば、現在はマレーシアが中心だが、ジャカルタはマレーシアに比べると、さらに学費も生活費も安いので、人気なのだという。
ただし、長期留学なら、現在のところ、マレーシアが日本人の母子留学には一番適していると思う。日本人コミュニティもあるし、日本語が通じる病院もある。

しかし、前記したように、インターは日本の学校とは違うシステムで運営されている。しかも、勉強はかなりハードだ。英語力があまりない子供にとっては、最初の半年はかなりつらい。これを母親がカバーしてあげなければならないので、やはり母親はある程度は話せないと無理だ。ただ、この辺のところはもうわかっているので、親子ともまったく英語がダメという方は、いまの母子留学組にはほとんどいなくなった。

とはいえ、みなさんびっくりするのが、インターの宿題の多さ、それに進学の厳しさだ。インターでは学期末には成績上位者がボードに貼り出されるし、校則を破ればディテンション(罰)が与えられる。飛び級もあるが、降級もある。だから、日本の「ゆとり教育」の感覚でいると、母子留学は失敗する。


■母子留学で失敗するケースとは?
母子留学の失敗談を聞いたことがあるが、「甘かったですね」とみなさん言われる。なにが甘かったかと言うと、小学校高学年になると、宿題についていけなくなることだ。「それで家庭教師を雇いました」という方もいた。ところが、それでもうまくいかず、結局、子供が上の学年に上がれなかったので、帰国した方もいる。
「一緒に母子留学した方のお子さんが進級したのに、うちの子は進級できなかった。こんな惨めなことはありません。結局、それに耐えられなくて、日本に帰りました」と言うのだ。

さらにこんな話もある。
「日本人は日本同士でつるみます。子供が小さいうちは、ママ会をやって仲がいいんです。お互いに悩みを打ち明けました。でも、だんだん、子供によって成績に差がついてくる。そうすると、うまくいかなくなるんです」
「ほかの国、とくに欧米人の親と親しくして、仲間はずれにされたこともあります」
「華人(中国人)の親たちは教育熱心すぎてついていけませんでした。タイガーママって言うのですが、彼女たちがなにをやるにも仕切っていて、うちの子供はバカにされてばかりでした」

さらに、母子留学で日本を離れているうちに、日本で夫が浮気をして離婚してしまったカップルもいる。母子留学といっても、けっしてバラ色ではないのだ。


■アジア母子留学から「新しい日本人」が育つ
こうしてみると、母子留学で成功しているのは、将来設計を明確にし、自分の意思をはっきり持った人たちである。言いたいことは言う。人は人、自分は自分と考えられる人間でないと、多民族、多文化社会ではやっていけない。日本人は奥ゆかしい。あまり自己主張をしない。こうなると、日本人から見て「厚かましい」中国人やコリアンなどに圧倒されてしまう。

それでも、私が見たところ、母子留学する人たちはうまくやっている。本当にがんばっている。日本人も最近は大きく変わってきて、一部の人たちは本当にグローバル化している。ただ、それに反して、国内の状況は相変わらずひどい。

TOEFL(トーフル)iBTテストでは、日本はアジア30カ国の中でなんと第28位だ。日本の下にいるのは、ラオスとカンボジアの2国だけである。また、日本の英語教師の70%以上が英検準1級未満、TOEIC730点未満というデータもある。これでは、日本で子供たちが英語を使えるようになるわけがない。

英語は日本では公用語ではない。しかし、以下のアジアの国では、公用語(母国語とともに使用する言語:English as Second Language)である。

Brunei ブルネイ
India インド
Malaysia マレーシア
Pakistan パキスタン
Philippines フィリピン
Singapore シンガポール
Sri Lanka スリランカ

また、次の国では国際語(English as International Language)としている。もちらん、ここに日本は入っているが、英語教育はこれらの国の中で最低レベルと言っていい。

Afghanistan アフガニスタン
Bangladesh バングラディッシュ
Cambodia カンボジア
China 中国
Indonesia インドネシア
Japan 日本
Korea 韓国
Laos ラオス
Myanmar ミャンマー
Nepal ネパール
Taiwan 台湾
Thailand タイ
Vietnam ベトナム

こうなると、アジア母子留学組から、「新しい日本人」が育っていくことを期待するしかない。その期待を背負って、アジア各地で子育てをしている母親たちに、私は心から「がんばってほしい」と言いたい。


新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2015年02月25日


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