日本より圧倒的に有利な税制、住みやすさを誇るシンガポールで会社設立すれば、俄然有利に資産形成、資産保全、海外投資を行なえます。シンガポールの賃貸物件・不動産紹介もフォーランドシンガポール。
デジタル後進国、IoT後進国、再エネ後進国の日本からシンガポールに行くと、その最先端ぶりに驚く。シンガポールへはチャンギ国際空港から入国するが、その手続きは全てオンライン化されている。
シンガポール政府は、紙製の入国カードを2020年3月に廃止し、SG電子入国カード(SG Arrival Card)を導入。アプリをゲットすれば、日本出発前からでもオンラインで入国申請の手続きが可能なので、これほど便利なことはない。
現在、シンガポールではほぼあらゆることがオンラインでできるようになっている。政府が無料で提供するWi-Fi(Wireless@SG)がどこにいても使えるので、ネット接続には困らない。公共交通機関の利用もほぼ全てオンライン。MRTやバス、タクシーなどはアプリによって運行状況を知ることができ、スマホさえあればスムーズに利用・移動できる。
現在、シンガポールはアジアで最先端の「スマートシティ」となっている。スマートシティとは、ひと言で言えば「未来都市」。日本政府は2016年策定の「科学技術基本計画」で、国を挙げてスマートシティ建設を促進することを決めたが、いまのところ世界で大きく出遅れている。
内閣府のHPでは、スマートシティは以下のように定義されている。
《スマートシティは、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています》
読めばなるほどとは思うが、それを実現するのは難しい。都市全体に5Gネットワークを張り巡らし、あらゆる手続き、サービスの利用がオンラインでできる。電力の供給はすべてCO2を排出しない太陽光発電などの再エネで行い、クルマはEV、ビルもCO2を排出しないスマートビルディングといったところが、その具体的なイメージだ。しかし、このどれもが日本では進んでいない。
シンガポールでは、2014年にスマートシティ政策「Smart Nation Singapore(スマートネーション・シンガポール)」が開始された。以来、国を挙げてスマートシティ実現に向けての数々のプロジェクトが進行してきた。
住民サービスのためのプラットフォームを整備する「Smart Nation Sensor Platform」。高齢者の見守りシステムを整備する「Elderly Monitoring System」、自動運転のシャトルバスを開発する「On Demand Shuttle」など——。
シンガポールのスマートシティ化の特徴は、北欧諸国やスイスなどと同様に、行政サービスがほぼデジタル化され、オンラインできることだ。
例えば、子供が生まれれば、出生届から補助金の受け取りまで役所に出向くことなく完結する。スタートアップをするための法人設立の手続きも、不動産の取引も、税金の支払いまでもオンラインで可能だ。これは、日本で難航しているマイナンバーカードと同じような国民デジタル認証(NDI:National Digital Identity)システムがすでに普及したからである。
シンガポールのスマートシティ化でユニークな点は、公的機関により集められたデータが、ほぼ全てオープンデータとして公開されていることだ。これにより、データの民間利用が可能になり、多くのスタートアップがデータを活用したアプリを開発するようになった。
もうひとつのユニークな点は、国を丸ごとデジタル化するプロジェクト「virtual Singapore(バーチャル・シンガポール)」が、世界初の試みとして行われていることだ。
このプロジェクトでは、川や丘などの地形や町並み、建造物や交通機関など、国土に存在するすべてを3Dデータ化し、本物そっくりの都市を仮想空間上に再現している。そこに、人やクルマなどのリアルタイムの位置情報も加わるので、リアル空間では無理な街づくりのシミュレーションが可能になっている。
スイス・ローザンヌに拠点を置くビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)は、世界のスマートシティ指数(Smart City Index)によるランキングを公表している。その2023年版によると、シンガポールは世界141都市中第7位、アジアでは第1位である。じつは2019年から3年間は世界で第1位だったから、シンガポールの先端都市ぶりは世界でも群を抜いている。
ちなみに、ベスト20は次のとおり。
1位チューリヒ(スイス) 2位オスロ(ノルウェー) 3位キャンベラ(オーストラリア) 4位コペンハーゲン(デンマーク) 5位ローザンヌ(スイス) 6位ロンドン(イギリス) 7位シンガポール(シンガポール) 8位(ヘルシンキ(フィンランド) 9位ジュネーブ(スイス)10位ストックホルム(スウェーデン) 11位ハンブルグ(ドイツ) 12位北京(中国) 13位アブダビ(UAE)14位プラハ(チェコ)15位アムステルダム(オランダ) 16位ソウル(韓国)17位ドバイ(UAE)18位シドニー(オーストラリア) 19位香港(香港)20位ミュンヘン(ドイツ)
————————-72位東京(日本) 90位大阪(日本)
東京と大阪の低順位は、本当に情けない。かつて「科学技術立国」と言われたことが嘘のようだ。しかも、東京は2019年より46位→73位→67位→72位、大阪は63位→80位→86位→90位と、どちらも毎年順位を落としている。
スマートシティ化が進んだので、シンガポールの不動産価格は確実に上昇している。また、最先端ハイテク産業も集まり出し、「スマートネーション・シンガポール」の目玉とされる大型スマートシティプロジェクト「Tengah Town(テンガータウン)」には、半導体企業などが続々と施設を建てている。
テンガータウンは、700ヘクタールの敷地内に、約4万世帯、10万人以上が暮らせる街ができる予定で、公営住宅やショッピングモールの建設も進んでいる。
このようなスマートシティ化は、世界の富裕層をさらに呼び込んでいる。英系不動産サービス大手ナイトフランクが公表している「ウェルス・リポート」(2023年版)によると、2022年におけるシンガポールの超富裕層(3000万ドル超の資産を保有する個人)は前年比6.9%増の4,498人となっている。
また、超高級住宅取引件数を基にした「ハイエンド・アクティビティ指数」のランキングで、シンガポールは世界第6位となっている。
シンガポールと日本の諸都市を比較して思うのは、日本はいまだに都市計画がハコモノ中心で、ICT技術の活用が遅れていることだ。トヨタは、実験都市としてのスマートシティ「ウーブン・シティ」を静岡県に建設し、ロボットやAI技術を駆使して自動運転技術、EV開発などを進めているが、地方自治体は掛け声だけで具体的な大型プロジェクトはほとんど進んでいない。
札幌、仙台、さいたまなどは、AI、IoTなどを活用したスマートシティ化を進めているが、まだ、実証・実験途上である。スタートアップを目指す有為の若者たちに話を聞くと、「日本で起業するよりシンガポールで起業するほうが、はるかに得です」と言う。その理由は、「設備が整っているし、リソースの使い勝手がいい。そのうえで、世界を目指せる」からとのことだ。
新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2023年12月26日
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