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【新興ASIAウォッチ/第3回】「巨大地震」「アベノミクス」で高まるジャパンリスク

巨大地震が恐くて本気で海外移住を考える

アベノミクスによる高揚感が広がる裏で、ジャパンリスクが高まっている。ジャパンリスクとは、ひと言で言えば、この日本で暮らすリスクだ。グローバル化が進む世界では、どこか一つの国だけで暮らすことはリスクである。そこで、日本という国を改めて見直してみると、そのリスクは日毎に高まっていると考える人が増えている。

私の知り合いで、静岡県浜松市で中堅企業を経営するK氏が言う。
「南海トラフの巨大地震のシミュレーションが発表されたときはショックでしたね。なにしろ、32万人も死者が出る。ここ静岡県は、もっとも被害が大きく、避難者数は120万人です。このままここで暮らし、仕事を続けていていいのかと本気で思い始めました」

浜松には、スズキやヤマハがあり、近くにトヨタもあって、多くの下請け企業が集まっている。いわば、日本のものづくりの中心地だが、ここ数年、一次下請け企業に続いて二次下請け企業も、海外に出ていくようになった。彼は、そんななかで踏みとどまってきた一人だが、今回のことで、本気で国外移転、海外移住を考えるようになったという。

最大規模の被害を受けるのは人口81万人の浜松市

東日本大震災を目の当たりにしてまだ2年ちょっと。この3月18日、政府の中央防災会議の作業部会が公表した「南海トラフの巨大地震」(東海地震)による経済被害想定は、私たちの想像を超えていた。東日本大震災をはるかに上回る巨大な災害が発生し、避難者は最大で950万人。その約半数の500万人が避難所に詰めかけ、収容しきれなくなるという。

とくに、静岡県の被害は大きく、東海地方が大きく被災するケースの経済被害は、約20兆円。なかでも最大規模の被害を受けるのは、人口81万人の浜松市である。浜松市では東海地震を想定して、1981年以降、ほぼすべての住宅に震度7までの耐震性を持たせるようにしてきた。だから、市は市民に避難所生活ではなく「在宅避難」を呼びかけてきたが、たとえ地震で倒壊しなくとも、津波が来たらひとたまりもない。想定される最大津波高は16メートルというので、市の担当者は、今回の政府発表には、頭を抱え込んでしまったという。

凡人はいまの日本ではチャンスがない

私には、浜松にもう一人、中堅企業経営者の知り合いがいる。土屋昭義氏といい、すでに60歳を超えたが、エネルギッシュに動いている。彼は、建設業界の風雲児として、公共事業によらない建設会社を一代で築いた人間だ。その土屋氏の口ぐせは「浜松にいること自体がリスク。日本にいること自体がリスク」である。彼は、その言葉どおり、すでに東南アジアに半移住している。それも、息子さん2人をシンガポールとインドに送りこみ、そこで会社をつくって住宅物件を購入し、いまはミャンマーで新しいビジネスを始めている。

じつはK氏は、企業人としてはこの土屋氏の後輩で、「お前も日本を出るべきだ」と言われてきた一人である。土屋氏の話は、いずれ本に書こうと思っているが、その考えは実にユニークだ。
「私には2人の息子がいますが、2人とも絵に描いたような凡人。凡人は、もはやいまの日本ではチャンスがありません。なぜなら、いまの日本は成長が止まり、リスクだらけの国で、そこで勝ち抜くとなると、相当頭がよくなければならないからです。それに、その戦いは、縮小する市場のなかでの足の引っ張り合いです。うちの息子には、到底無理なんですね。そこで、昔の成長期の日本と同じ、新興アジアに息子2人を送り出すことにしたんです。新興アジアなら、馬鹿なお前たちでも勝負になるとね。この話を人に話すと、大抵の人は『バカなことをしちゃっているね』と、呆れて笑いますが、私は本気ですよ」

ここ2、3年の大きな特徴は「教育移住」

土屋氏のような企業経営者以外にも、最近は、多くの日本人が新興アジアを目指して、国を出ている。企業経営者は第二の起業をするために、富裕層は家族の安全と資産の保全のために、そして若者たちは、希望のない日本企業で働くより、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポールなどの現地企業で働くほうがいい、と国を出る。

新興アジアでの脱出先、移住先として人気なのは、なんといってもシンガポールである。これに、マレーシアが続く。シンガポールはオフショアのため、税のメリットがある。また、中国語と英語に同時に触れられるうえ、日本人が2万人以上も暮らしていて、日本人コミュニティもあるから人気が高い。マレーシアはインフラも整備され、移住プログラムも完備しているので、とくにシニア層に人気がある。最近では、シニアの移住先として人気ナンバーワンを誇っている。

こうした日本脱出ブームのなか、ここ2、3年の大きな特徴は「教育移住」だろう。日本で教育を受けることを嫌い、子供や妻だけでも国外に移住させるというのが「教育移住」だ。外資勤務のある30代サラリーマンは、妻と6歳になる娘を昨年からマレーシアに移住させ、娘を現地のインターナショナルスクールに通わせている。
「日本の教育はいまや最大のリスクです。日本で教育を受けて大人になっても、まともな職はないし、将来は拓けません。それで、家内と娘を先に行かせました。いずれ私も向こうに行くつもりで、すでに住宅を購入しました」

安倍首相も政府の人間もみななにかにおびえている

それでは、いまの日本にどんなリスクがあるのだろうか?土屋氏が言うように「日本にいること自体がリスク」だとしたら、そのリスクとはなんだろうか?
まず挙げられるのは、失われた20年の間ずっと続いてきた「経済の低迷リスク」だ。そして、その間に膨大に積み上がった公的債務による「財政破綻リスク」。この先、既定路線となった「増税リスク」。さらに、東日本大震災で加わった「巨大地震リスク」と「放射能リスク」である。そしていま、もっともリスクと言えるのが「アベノミクス」だろう。

地震におびえるK氏は、「じつは地震よりアベノミクスのバブルが終わったときのほうが恐い」と言う。アベノミクスは、カンフル剤のように、一時的には好景気をもたらす。しかし、その先には深刻な不況がやって来る可能性がある。お金を刷り過ぎて円の価値が暴落すれば、日本は一気に貧しい国転落してしまう。K氏は「なんで安倍首相はあんなにハイなんですか? なにかにおびえているんですかね。政府の人間たちはみなニコニコしていますが、本当は自信がないのがミエミエです」と言う。

これ以上円安にならないうちの、いまが最後のチャンス

たしかに、アベノミクスがこの先どうなるかは、提唱した首相をはじめとする政治家、学者、官僚の誰も知ってはいない。いずれどこかで金融緩和を止めなければならないが、そのときどうなるかも、誰にもわからない。GDPも人口もアメリカの3分の1の国で、アメリカ並みにお金を刷る。しかも、そのお金はドルのような基軸通貨ではない。つまり、これは誰もやったことのない大バクチなので、先のことはまったくわからないのだ。
「これ以上円安になると、海外に出るタイミングを失います。円が150円なんてことになったら、もう日本にいるしかありません。だから、いまが最後のチャンスかもしれません」と、K氏は言う。

身動きがつかない高齢者はともかく、いまはサラリーマンですら、「円定期を解約して外貨建てで持ったほうがいい」「持つならどこの通貨?と外貨MMFはどうか?」などと、動き始めている。そんななか、海外投資、とくに海外不動産投資は加速し、それとともに多くの日本人が新興アジアを目指して国を出ている。

新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2013年04月26日


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