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いま、タイは空前の日本ブームに湧いている。かつては、テレビなどの家電からパソコン、携帯電話、日用雑貨、クルマ、ポップカルチャーに至るまで、「日本はすごい」という畏敬の念があったが、それらがことごとく韓国や中国に負けて凋落したので、余計に親近感が増したようだ。タイ人は、日本人を自分たちと変わりないと、身近に感じるようになった。そう私には思える。
いま、タイ人に人気なのは、寿司、天ぷら、ラーメンなどの和食、日本の化粧品、アニメと漫画、そして日本の伝統文化だ。
「タイでの日本ブームを知りたいなら、バンコクのラートクラバに3年前にオープンした日本風テーマパーク『原宿タイランド』に行ってみては」という人間がいたので、行ってみて驚いた。閑古鳥が鳴いている。東京ドーム4つ分の広さのテーマパークで、日本の町並みを再現し、居酒屋やラーメン店などが何軒もあるが、客はまばら。閉店中の店も多かった。
「そうですか。オープン当初は、コロナ禍で日本に行けない日本ロスで大盛況でした。しかし、造りが安っぽいので、徐々に人気がなくなったのかもしれません。ほかにも日本のテーマパークはありますが、そっちは大盛況と聞いています」とのこと。なら、初めからそちらを言ってくれればいいのに。
というわけで、向かった先はバンコクからクルマで1時間半もかかるリゾート地、チョンブリー県バンセンにある「バンセン魚市場」。
名前は「魚市場」だが、完全な日本のテーマパーク。昭和の日本の街並みが再現され、瓦葺き屋根の家や店舗が並び、「鰻」「居酒屋」などと看板表示はみな日本語。なんと、仲見世風の街並みもある。電車が通っていないのに、都電の駅を真似た「バンセン駅」まであるのには驚いた。
観光客がひっきりなしに訪れ、覗いた店は満員。行列ができている店もある。街中でインスタ用の記念写真を撮っている人たちも多く、「原宿タイランド」の比ではない。
2022年1月にオープンしたというが、当初はタイの飲食店ばかりで客足はさっぱり。そんな中、日本のものを真似してつくった「スゴイせんべい」だけが飛ぶように売れたので、一念発起して日本タウンにリニューアルしたら大成功したという。
すでに日本のテレビでも紹介され、パークの仕掛け人は地元の有名人となっていた。客足が絶えないので、定期的に日本の祭りやイベントも行っているという。「バンセン魚市場」に行って、やっとタイの日本ブームが本物だと実感した。
タイの日本人街と言えば、シラチャ。約1万人の日本人が暮らすこの街に、10年前にグランドオープンしたモールが「Jパーク」。ここがタイで最初の日本パークで、日本の江戸時代の街並みを模してつくられ、どこか浅草の商店街を思わせる。中には日本庭園があり、その先には金閣寺のような建物まである。
モールなので、「マックスバリュ」「ダイソー」「ツルハドラッグ」などの日本の店が入っていて、2年前には「ドンキホーテ」がオープンした。もちろん、日本の飲食店、和食「さと」、とんかつ「さぼてん」、ラーメン「幸楽苑」など、多数の店があり、ここに行けば日本を丸ごと感じられる。
当然、シラチャで暮らす日本人向けの施設だが、タイ人の方が圧倒的に多い。ここで、日本の暮らし、文化を楽しもうと、休日は大賑わいという。特に、コロナ禍のときに日本に行けない「日本ロス」のタイ人が大挙して訪れたという。
タイの経済成長は順調だ。GDPは年々拡大し、いまや1人当たりのGDPは、名目GDPで約7,500ドル、購買力平価で約2万5,000ドルに達している。日本は名目GDPで約3万3,000ドル、購買力平価で約5万3,000ドルだから、まだまだタイの方が低いが、中流の人々が海外旅行を楽しめるようになったのは間違いない。
すでに日本に何度も行き、リピーターになった人も多く、そういう人々がコロナ禍のときに、「日本ロス」になったのだという。
実際、コロナ禍が明けて2年ほどたったいま、タイ人観光客のインバウンドは増え続けている。日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年1~6月(上半期)の訪日外国人客数の統計によると、ASEAN主要6ヵ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)からの訪日客数は、前年同期よりも増加し、特にタイが多かった。
国別にみると、タイが61万8,300人(前年同期:49万7,799人)。続いて、フィリピンが40万1,700人(同27万7,142人)、ベトナムが33万1,900人(同30万898人)、シンガポールが30万人(同25万2,703人)、インドネシアが26万3,800人(同20万1,656人)、マレーシアが24万1,800人(同19万4,252人)となっている。
では、タイ人は日本観光でどこに行きたいのか?
タイ人向け訪日旅行情報サイト「Chill Chill Japan」の意向調査によると、第1位は「富士山」、第2位は「白川郷」、第3位は「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」、第4位は「東京ディズニーリゾート」、第5位は「河口湖」となっていて、京都や大阪、東京などはトップ5に入っていない。トップ5の顔ぶれは、なんと世界遺産とテーマパークなのである。
ただし、日本の街ランキングでは第2位に京都がランクインしている。とはいえ、「人気都道府県ランキング」を見ると、なんと北海道が第1位である。タイ人もまた、最近の旅行トレンドである「エンターテイメント体験」「ネイチャー」「ロケ地巡礼」「産地グルメ」などに興味を持っているようだ。
実際、知り合いのタイ人に聞くと、「日本で最高の体験は、雪景色を見て温泉に入れたことだと言う人が多いんです。私もそうでした。だから、日本文化を体験できる旅館に泊まりました」とのこと。温泉に入って、浴衣を着て布団で寝る。これは、南国人の彼らにとって、かけがえのない異文化体験と言える。もちろん、東京、京都、大阪の都市と伝統文化観光も欠かしていない。
いまや、世界中のツーリストがスマホを片手に旅に出ている。スマホにある情報が、行くべき場所を左右する。その意味で、日本は世界でも有数の旅情報の発信地である。富士山が見える「河口湖ローソン」など、SNS情報がなければ誰も訪れなかっただろう。
タイ人は、一般的に好奇心旺盛で陽気である。そして、口コミを大事にする。タイにおけるSNS普及率は高くFacebook、YouTube、Line Instagramの普及率は90%を超えている。そうしたSNSでは 訪日リピーターのタイ人が「自分が発掘した日本の穴場」情報を絶えず発信している。
かつて日本は、経済力と家電などの製品で、東南アジアを席巻した。しかし、時代は変わった。いまや、日本は有力な観光先であり、日本文化は有数な異文化として受容されるようになったのである。
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※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2024年11月27日
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