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【新興ASIAウォッチ/第151回】フィリピンが「太陽光発電」大国に!

マニラの南東ラグナ湖で進む大規模プロジェクト

イラク戦争で世界中がエネルギー危機に陥った。特に、日本をはじめとするアジアの国々は、中東への石油依存度が高いだけに深刻である。中でも、ホルムズ海峡依存度94%というフィリピンは、「エネルギー非常事態宣言」(3月25日)を発するまで追い詰められた。

しかし、フィリピンが他のASEAN諸国、日本とも大きく違う点がある。それは、ASEAN諸国の中で、最も積極的に再エネ転換を進めている点だ。

マニラ首都圏の南東に、フィリピン最大の湖ラグナ湖(Laguna de Bay、バイ湖とも呼ばれる)がある。面積は日本の琵琶湖の約1.3倍。重要な水産資源として、また、南国の美しい自然に囲まれた観光スポットとしても有名な湖だ。

いま、この湖とその周辺地域が、世界でも有数な太陽光発電の集積地になろうとしている。すでに、いくつかの大規模なプロジェクトが進行中で、訪れてみると、湖面にフローティングソーラーパネル(浮遊式太陽光発電パネル)が敷きつめられている一画がいくつかある。

世界最大級の太陽光発電設備2つがすぐに稼働

ラグナ湖における浮遊式太陽光発電のプロジェクトとして最も期待されているのが、アジアにおける再エネのトップ企業の「ブルーリーフ・エナジー」と、フィリピン太陽光開発のデベロッパー「サンアジア・エナジー」が手がけるプロジェクトである。発電容量610.5MW(メガワット)を目指し、現在、急ピッチで建設され、今年中には稼働するという。

また、フィリピン最古かつ最大のコングロマリット「アヤラ・コーポレーション」も、発電容量1,120MWという、こちらも世界最大級のプロジェクトを進めており、2027年の稼働を目指している。

フィリピンでは、現在、数多くの再エネ発電(太陽光、風力、水力、地熱など)のプロジェクトが進んでおり、すでに稼働しているものによる再エネ比率は30%を超えている。ちなみに、日本の再エネ比率は25%に達していない。

注目の「浮体式太陽光発電」とはなにか?

フィリピンで稼働するフローティングソーラーパネルによる発電システムは、近年、最も注目されている太陽光発電である。太陽光発電には、パネルの設置場所によって地上式、屋上式、水上式があり、水上太陽光発電は今後、世界中でどんどん増えていくとされている。

水上太陽光発電とは、ダム、溜池、湖、沿岸部などの水面に、ソーラーパネルを浮かべて発電するシステム。フロートと呼ばれる浮力のある架台にソーラーパネルを設置し、アンカーやワイヤーで水底や岸に固定する。

水上利用のため土地造成が不要で、水による冷却効果で発電効率が高く、藻の発生抑制や蒸発防止といったメリットがある。日本では、ダムに5万枚のフローティングソーラーパネルを敷き詰めた千葉・山倉水上メガソーラー発電所が有名だが、フィリピンのような大規模プロジェクトはまだ一つもない。

では、なぜフィリピンでは太陽光発電などの省エネ転換が、ここまで積極的に促進されているのか?

輸入頼りの化石燃料からの脱却と温暖化対策

フィリピンで生活、あるいは事業をした人なら知っていると思うが、フィリピンの電気料金はアジア諸国に比べて驚くほど高い。日本も電気代は高いが、それ以上とも言える。これは、日本同様、エネルギー資源が乏しく、化石燃料をほぼ輸入に依存しているからだ。また、送電率も低く、発電所、送電設備などのインフラも老朽化が進んでいる。

そのため、フィリピン政府は、地球温暖化防止対策(=温室効果ガス排出量の削減)、いわゆる世界的なカーボンニュートラルの流れに乗って、エネルギー政策の大転換に出たのである。補助金、優遇税制、規制緩和により、省エネへの投資を大胆に進めてきた。水上太陽光発電の大規模プロジェクトは、その一環である。

フィリンピン政府が目指しているのは、2030年までに温室効果ガスの排出量の70%削減、2040年までに再エネ率50%の達成である。

外資規制撤廃と補助金、優遇税制で投資促進

再エネ投資促進に最も貢献したのが、2022年の再エネ事業への外資出資規制(40%上限)の完全撤廃とされている。これに加え、法人税改革法によって、営業開始から最長7年間の法人所得税が免除されることになり、免除期間終了後も法人税は10%に軽減されることになった。さらに、再エネ発電による売電や設備購入には、付加価値税(VAT)がかからないことになった。

こうした促進策により、前記したラグナ湖の水上太陽光発電のプロジェクトは一気に立ち上がった。その後も続々と再エネ事業が立ち上がっている。

ただし、再エネ発電がいくら増えても、送電網が古いとエネルギー効率が悪い。そのため、フィリピン政府は大規模な送電ネットワーク拡張計画「ワン・フィリピン・グリッド」を開始し、2024年初頭には、長年の悲願であったミンダナオ-ビサヤ相互接続プロジェクトが通電した。これにより、ルソン、ビサヤ、ミンダナオの3主要地域が連結することになった。

再エネ転換事業に日本企業も続々参画

政府によるここまで優遇措置があれば、投資しない企業はない。再エネ市場が拡大しない日本を尻目に、日本企業も続々フィリピンの再エネ市場に参画することになった。

九州電力は、ペトログリーン・エナジー(大手財閥ユーチェンコ・グループ)に25%出資し、地熱、風力、太陽光事業に参画。Jパワー(電源開発)は、現地企業「MRC」から水力発電所2カ所の株式を40%取得して参画。出光興産は現地企業「スカイリニューアブル」へ出資し、商業・産業向けに太陽光発電を供給といった具合だ。このほか、丸紅、Loop、村田製作所、川崎重工などが、フィリピンの再エネ市場で事業を展開している。

フィリピンの再エネ転換を見てつくづく思うのは、なぜ、同じようなエネルギー資源貧国の日本が、再エネに熱心でないのかということだ。

2024年〜2025年の最新データに基づくと、世界全体の発電量に占める再エネ比率は約32%に達している。イラン戦争による石油危機はもちろんのこと、温暖化の加速もあって、再エネ転換は待ったなしである。

新興ASIAウォッチ/著者:山田順

新興アジアとは、ASEAN諸国にバングラディシュとインドを加えた地域。現在、世界でもっとも発展している地域で、2050年には世界の中心になっている可能性があります。そんな希望あふれる地域の最新情報、話題を伝えていきます。
※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。

山田順(やまだ じゅん)

1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。

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投稿更新日:2026年03月25日


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