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日本と東南アジアを結ぶ定期便。それは飛行機でも船でもない、ツバメだ。春になったら南方から日本に渡ってきて、商店街や駅、住宅の軒先などに巣をつくり、子育てをする。そして、秋が来るとまた南方へと帰っていく。
私が子供の頃は、街のいたるところでツバメを見かけた。商店街を飛び抜けていくツバメ、駅舎の軒下の巣にいるツバメ、夕暮れの池の辺りで虫を採っているツバメなど…いまも、それらの光景は鮮やかに頭に残っている。
ところが最近、そういう光景をあまり見かけなくなった。ツバメの数が本当に減ったと思う。その反面、冬でも時たまツバメを見かけることがあるようになった。ツバメの世界も、人間同様大きく変化しているのだろうか?
そこで今回は、ツバメの話をしてみたい。
日本では、ツバメは夏の鳥である。しかし、東南アジアでは冬の鳥だ。ただし、東南アジアの冬は言葉だけの冬で、熱帯だから日本の夏と変わらない。で、冬に東南アジアに行くと、ホーチミン、バンコク、クアラルンプール、シンガポール、ジャカルタなどの都会で、街中を飛ぶツバメを見かける。また、街路樹に群れをなして止まっているのを見かけることもある。
日本から見ると、東南アジアはツバメの「越冬地」ということになるが、東南アジアから見ると、日本は「越夏地」。ツバメは渡り鳥だから、定住の地があるわけではない。ツバメは暑さには強いが、寒さには弱い。だから、日本の冬が始まる前、秋の半ばまでには、東南アジアに渡って行く。
足に環を付けた「足環調査」によると、日本からのツバメの行き先は、台湾、中国南部、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアなどという。ツバメの越冬地として有名なのが、マレーシアのボルネオ島のケニンガウという町。ここでは約10万羽のツバメが「越冬」しているという。もちろん、日本のツバメだけではなく、韓国、中国北部から「越冬」にやって来たツバメもいる。
ところで、日本では「益鳥」とされるツバメだから、中華料理の高級食材に「ツバメの巣」があるのに、驚く人も多いと思う。バンコクやクアラルンプールなどには、ツバメの巣専門店があり、様々なツバメの巣料理を楽しめる。
ただし、このツバメの巣をつくるのは「アナツバメ」という種類のツバメで、ごく一部の地域にしか生息していない。日本のツバメとは、生物の分類学上でまったく異なる種類のツバメだ。
アナツバメは断崖や天井の高い洞窟に、自らの唾液によって巣をつくり、その採取は非常に難しい。巣にはシアル酸やEGF様物質が豊富に含まれており、美容や健康にいい。そのため、貴重な高級食材として昔から食されてきた。フカヒレも高級食材だが、ツバメの巣の方がはるかに上だ。
ツバメの巣の最高峰とされるのが、マレーシア産のアナツバメの巣。これはマレーシア政府にとっても貴重な天然資源のため、巣の採取は政府の許可がなければできない。政府の許可を得た業者だけが、年3回だけ採取できることになっている。ちなみに、日本のツバメの巣は、泥や枯れ草などでつくられているので、食べることはできない。
日本では夏鳥とされるツバメは、2月の中旬には沖縄に、3月には関東に、そして4月の下旬には北海道にまでやって来て、桜前線とともに北に移動する。ではなぜ、ツバメは南方から日本にやって来るのだろうか? 暑いところを好むなら、そのまま南方にいてもいいはずなのに、なぜ日本に来るのだろうか?
それは、日本の夏の方が餌になる虫が豊富だからだという。もちろん、南方には虫が沢山いる。しかし、虫を餌とするライバルも沢山いるので、そのまま南方で繁殖すると、ヒナの分まで餌が回らないのだという。その点、日本にはライバルとなる虫を主食とする鳥が少なく、夏には虫が豊富。日本の方が、子育ての条件がいいのだ。
ツバメは、民家の軒下など人の手が加わった場所を好んで巣作りをする。これは、安全確保のためで、人がいるところが安全と知っているからだという。天敵はカラスやタカ、ヘビなどという。
昔から、ツバメが巣をつくる家は「縁起が良い」とされてきた。ツバメはそれを知っているのかもしれない。ところが、最近は民家の軒下のツバメの巣をあまり見かけなくなった。とくに都会はビルばかりになり、ツバメを見かけなくなった。
実際、近年ツバメが全国的に減っている。子供たちにツバメのことを聞くと、「そんな鳥、見たことがない」と言う。ツバメが減った原因は、いくつかある。一つ目は、前記したように都会がビルばかりになったこと。それに加え、日本の家屋の構造が変わったことだ。
二つ目は、ツバメの餌場である水田や畑が減ったこと。三つ目は、餌そのものが減ったことだ。ツバメは、目にも留まらぬほどの速さで飛び、空中で昆虫を捕食する。その昆虫は、農作物への農薬の使用、気候変動の影響で減っている。
そして四つ目は、カラスによる脅威。最近、私の暮らす横浜の街の一画でもカラスが増え、ゴミ箱を漁っている姿をよく見る。カラスは都会でも増えているが、過疎化が進む地方でも増えている。空き家が増えて、人の手が入りにくくなったところだと、ツバメの巣はカラスの格好の標的になる。これでは、安心して子育てできない。
ツバメをあまり見かけなくなったが、逆に冬だというのに見かけることがある。いわゆる「越冬ツバメ」で、かつては宮崎や鹿児島などの南九州に限られていたが、いまでは、本州各地で報告例がある。
これは間違いなく地球温暖化の影響で、冬が寒くなくなったからだ。暖冬だと川辺や池の側では虫が発生する。そのため、南方に行くことを忘れて、日本で冬を過ごしてしまうツバメがいるのだ。
季節と環境がここまで変われば、ツバメの暮らしも変わらざるを得ない。いずれ、ツバメは季節を知らせる渡り鳥ではなくなるかもしれない。日本と東南アジアを結ぶ定期便ではなくなってしまうかもしれない。ツバメほど、人と共存してきた鳥はいない。その生態系が変わりゆくことは、私たちの暮らしも変わることかもしれない。
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※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2025年08月28日
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