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先月のこと、知人が「6月末にハワイに行く」と言うので、「いつも8月なのになぜ?」と聞くと、「知らないのか?7月に大地震が起こる。家内がそれを信じていて、日本にいると危ないと言うんだよ」という答えが返ってきた。
最初は一笑に付したが、その後、ネット検索などで調べてみて、本当に驚いた。すでに、「7月ニッポン大災害説」は蔓延していて、「どうしようか」と真剣に心配している書き込みが多かったからだ。
知人の話を聞いてから1週間ほどして、ビジネスで香港、バンコク、シンガポールと回ってきた別の知人が、「おいおい、大変なことになっている。向こうでは、会う人がみな『ダイジョウブ?ジャパン』と聞いてくるんだよ」と言うので、この話がアジア中に広まっていることを知った。
「7月に大災害が日本を襲う」という話の出元は、日本の漫画である。2021年に出版された漫画家たつき諒氏の作品『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社)だ。この作品は復刻版で、絶版になっていた元本の表紙に「大災害は2011年3月」とあったため、東日本大震災を予言して的中させたと評判になった。そのため、フリマアプリなどでは数十万円で取引されるようになり、2021年に飛鳥新社が再編集して復刻させたのである。
この作品には、漫画家本人の予知夢体験が描かれている。それは、「大災難の夢を見ました。日本列島の南に位置する太平洋の水が盛り上がる」というもの。そして、復刻版の帯には、なんと「本当の大災難は2025年7月にやってくる」と書かれていたのだ。
本の帯に書かれた1行「本当の大災難は2025年7月にやってくる」は、やはり、人々の不安を煽る。「いったい、なにが?」となって、この作品は今年になってベストセラーとなった。飛鳥新社によると、100万部は目前だという。
日本のベストセラー漫画は、アジア各地でも評判になる。香港、台湾、バンコク、シンガポールなどでも作品は売れ、ネットでも話が拡散した。こうして、「7月ニッポン大災害説」は、いまやアジア中で定説化してしまったのだ。
ここまでくると、テレビ、新聞、雑誌などのマスメディアが取り上げないわけがない。毎日新聞は、作者のたつき諒さんにインタビューするとともに、『漫画の災害予言→旅行中止相次ぐ 作者たつき諒さん「前向き」の真意』(5月15日)という記事を配信した。また、CNNは『漫画が「予言」する大地震に不安増大、外国人客の訪日中止や延期相次ぐ』(5月20日)と報道した。
大手メディアまでが報道したように、「7月ニッポン大災害説」の蔓延は、大きな波紋を巻き起こしている。もっとも大きな波紋は、インバウンドに湧く日本から、外国人観光客が一時的に消える可能性が高くなったことだ。
香港の航空会社「グレーターベイエアラインズ」は5月12日から10月25日までの間、仙台便を週4便から3便に、徳島便を週3便から2便に減らすことを決めた。7月からの日本行き観光客の予約が、明らかに減ったからだ。
香港では、著名な七仙羽氏や李居明氏などの風水師の預言が、「7月ニッポン大災害説」に拍車をかける“お墨付き”を与えてしまった。七氏は「4月以降は日本に行ってはならない」と呼びかけ、李氏は「9月に最大の災難が起こる時期に入る」と煽ったため、現地メディアが連日大きく取り上げたのだ。
在日中国大使館が4月に注意喚起を出したことも影響した。日本政府が3月に公表した「南海トラフ巨大地震の被害想定」を受けてのものだが、風水師の預言を強化してしまった。
香港の風水師予言の大元は、シンガポールの陰謀論系ユーチューバーが紹介した動画だという。この動画は、「7月ニッポン大災害説」を以前から取り上げ、再生870万回以上と、中華圏を中心に徐々に広まっていたという。
そのため、シンガポールでも、今夏、日本行きを取りやめる動きが目立っている。取りやめた人間は、こう答えている。
「当たるか当たらないかは関係ない。いつでも行けるのだから、なにもその時期に行く必要はないでしょう」
もっともである。
日本行きの取りやめは、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどにも広がっている。その影響で、台湾、韓国。中国本土にも影響が出ているという。どの国でも、再生回数やヒット数の多い情報は、SNSを通してあっという間に拡散する。このままいくと、今夏、訪日観光客(インバウンド)は本当に激減してしまうかもしれない。
世界中の誰かが毎日のように、「大災害が起こる」「終末の日がやってくる」などの予知を行っている。その方法は、星占い、タロット、易、コイン、スピリチュアルなど多種多様だ。
予知夢に関していえば、有名なのは1914年のタイタニック号沈没を予言したという短編小説『タイタン号の遭難 または愚行』(モーガン・ロバートソン著)である。この本は1898年の出版だが、その内容が、船名、大きさ、構造、航路、沈没原因などが類似していると評判になり、事故後にベストセラーになった。
今回の件は、それと似通っているが、「当たるも八卦当らぬも八卦」と言うように、当たる場合はただの偶然である。なぜなら、予知夢というのは、それが起こった事後に言えることだからだ。
世界中の何十億という人が毎晩のように夢を見ている。そのうちの何百人、何千人、いや何万人かもしれないが、船が沈没する、家が燃える、大地震が起こる、大災害が起こるなどの不吉な出来事の夢を見るだろう。
だから、実際にそれが起こると、「あれは予知夢だった」と思う。それだけのことだが、人には未来に対する不安があるから、自分が見た不吉な夢を未来の知らせと思ってしまうのだ。脳科学から言えば、夢に未来が登場することなどあり得ない。
思えば、「ノストラダムスの大予言」も「マヤ暦の終末の日」もこなかった。しかし、そうはいっても、いつか地震や災害は起こる。それがいつかわからないだけである。
はたして、この夏はどうなるのか?
私としては、インバウンドが減って静かな日が訪れてほしい。ただでさえ、温暖化で猛暑が予想されるので、穏やかな日々がきてほしいと切に願う。もちろん、大災害などもってのほかだ。
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※本コンテンツ「新興ASIAウォッチ」は弊社Webサイト用に特別寄稿して頂いたものとなります。
1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年、『光文社ペーパーバックス』を創刊し、編集長を務める。日本外国特派員協会(FCCJ)会員。2010年、光文社を退社し、フリーランスに。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースを手掛けている。
著書にベストセラーとなった「資産フライト」、「出版・新聞 絶望未来」などがある。
投稿更新日:2025年05月29日
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