シンガポールでの法人設立を、思いつきではなく「順序立てて」進めるための一本道のガイドです。まず、この記事の結論を先に示します。
- 会社形態は現地法人(Pte Ltd)を軸に。日系進出の9割以上はこれ。支店・駐在員事務所・LP/VCCは用途が限定的。
- 法人税は一律17%。SUTE/PTEで税負担を大きく下げられる。ただし効き方は要件と利益規模しだい(要個別試算)。
- 「設立=自動で節税」ではない。効くのは事業の実体をシンガポールに置いた場合だけ。
- 登記自体はシンガポール会計企業規制庁(ACRA)で1〜3営業日。実務でつまずくのは登記ではなく口座開設と就労ビザ。
- 費用は透明に。フォーランドシンガポールは初年度 月額130,800円(1,090SGD)/2年目以降 月額117,720円(981SGD)(いずれもGST9%込・1SGD=120円換算)+初回のみセキュリティデポジット360,000円(3,000SGD)(サービス終了・登記抹消時に清算のうえ返金)。
この記事は次の方に向けて書いています。
- これからシンガポールに会社を作る、日系の経営者・個人事業主・投資家の方
- 「節税になると聞いたが、本当に自分のケースで得なのか」を見極めたい方
- 会社形態の選び方・費用・税金・設立後の手続きまで、断片ではなく全体像を一度に把握したい方
読み終えると、どの会社形態を選ぶべきか/総額でいくらかかるか/税金は実際どう効くか/設立から口座開設・就労ビザまで何をどの順でやるかが一通り分かります。各論はそれぞれの詳しい記事へリンクで案内します。一般論で終わらせず、「日系の実際はこうです」というところまで踏み込みます。
1シンガポールの会社形態は4つ。どれを選べばいい?
日系企業・個人の進出は、まず現地法人(Pte Ltd)を軸に検討するのが実務の王道です。日系進出の9割以上がPte Ltdで、有限責任で本社・個人の資産を守れ、法人口座・就労ビザ・税制優遇の前提になるからです。支店・駐在員事務所・LP/VCC等は用途が限定的なので、まずはPte Ltdを起点に考えます。
シンガポールで事業を行う器は、大きく次の4つです。まず全体像を押さえます。
| 会社形態 | 概要 | 法人格 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 現地法人(Pte Ltd) | シンガポール法に基づく独立した株式会社(非公開会社) | あり(有限責任) | 本格的な事業展開・大半の日系進出 |
| 支店(Branch) | 日本本社の一部としての出先 | なし(本社に帰属) | 本社の事業を延長する場合 |
| 駐在員事務所(Representative Office) | 市場調査・連絡のみの非営業拠点 | なし | 進出前の調査フェーズ(営業活動は不可) |
| パートナーシップ(LP/LLP) | 共同事業の枠組み | LLPは法人格あり | 専門サービス業など限定的 |
なぜ現地法人(Pte Ltd)なのか
実務上、日系企業・個人がシンガポールで事業を行う場合、選ばれるのはほぼ現地法人(Pte Ltd)です。理由はシンプルで、
- 有限責任 株主の責任が出資額に限られ、本社・個人の資産が守られる
- 独立した法人格 法人口座・就労ビザ・各種優遇税制の前提になる
- 税制優遇を受けられる スタートアップ税制免除(SUTE)などは現地法人が対象
支店は「本社の一部」なので本社にリスクが及び、税制優遇も受けにくい。駐在員事務所は営業活動が一切できず、進出前の調査専用です。パートナーシップは専門職など特殊な場面に限られます。「とりあえず軽い形で」と支店や駐在員事務所から入る方もいますが、本気で売上を立てるつもりなら最初からPte Ltdを作るのが結局は近道です。フォーランドシンガポールの実務でも、進出相談の大半は最初からPte Ltdを前提に設計しています。
一次ソース会社形態・登記の区分:ACRA
2シンガポールで法人を作れば節税になる?(メリットと誤解)
「会社を作れば自動で節税」ではありません。低税率が効くのは、シンガポールに事業の実体を置き、そこで稼いだ利益に対してだけ。実体が薄いと、日本側のタックスヘイブン対策税制で結局課税され得ます。効くか効かないかは「箱」ではなく「実体」で決まります。
メリット(実際に効くもの)
- 低い法人税率 法人税は一律17%。SUTE/PTEなどの控除で税負担を下げられ、日本の約30%と比べて低い水準(実際の負担は利益規模による)
- キャピタルゲイン課税なし/配当の二重課税なし 株式売却益は非課税、配当も株主の手元で再課税されない(ワンティア課税)
- 経費の範囲が比較的広い 収益獲得のために支出した経費は幅広く損金算入が認められる(シンガポール内国歳入庁(IRAS)のルール遵守が前提)
- ビジネス環境 政治の安定、整ったインフラ、英語が公用語、アジアのハブとしての立地
- 設立がスピーディ 書類が揃えば登記自体は短期間で完了する
役員・従業員の住居費を会社が負担する場合、法人側では人件費等に算入できますが、受け取った個人側では現物給付(Benefit-in-Kind/BIK)として個人所得税の課税対象になります。「会社に持たせれば無税で住める」という単純な扱いにはなりません。接待交際費なども、収益獲得のためにもっぱら(wholly and exclusively)支出されたものに限り損金算入が認められます。
よくある誤解:「会社を作れば、自動で節税になる」
「設立すれば自動で税金が下がる」わけではありません。シンガポールの低税率が効くのは、あくまで「シンガポールで実体のある事業を営み、シンガポールで稼いだ利益」に対してです。
日本に居住したまま、実体のない会社(いわゆるペーパーカンパニー)を置いただけでは、
- 日本側のタックスヘイブン対策(外国子会社合算)税制で、結局日本の税率で課税され得る(後述)
- IRASから実体を問われ、優遇の対象外と判断され得る
つまり節税は「箱を作ること」ではなく「事業の実体をシンガポールに置けるか」で決まります。ここを正面から扱うのが、弊社が他社と違うところです。「本当に自分のケースで得か」は、無料相談で具体的に試算できます。
3シンガポールの法人税は何%?税金はどう効く?
法人税は一律17%。スタートアップ税制免除(SUTE)と部分免除(PTE)で税負担を大きく下げられます。創業初期で課税所得が小さい範囲では実効税率が一桁台になるケースもありますが、利益規模が大きい場合や投資保有会社など対象外業種では17%に近づきます(要個別試算)。さらにキャピタルゲイン税・相続税・贈与税はゼロ。一方で、日本に関わりが残る場合は日本側の税制も効くため、両国合算で判断します。
以下の数値は制度改定で変わります。本文は YA2026(賦課年度)時点の内容で、最終確定は弊社会計士(Selene Xu・CA (Singapore))が確認します。
法人税は一律17%。免除制度で初期の実効税率は下がる
表面の法人税率は一律17%です。各種の控除・免除制度があるため、創業初期で課税所得が小さい範囲では実効税率が一桁台に収まるケースもあります(要個別試算)。日本の法人実効税率(約30%)と比べて低い水準ですが、利益規模が大きくなると17%に近づき、投資保有会社・不動産開発業などは免除制度の対象外です。日系の資産管理会社を想定する場合は特に、一律に「実効10%以下」とはならない点に注意してください。実効税率を押し下げているのが、次の2つの免除制度です。
| 免除制度 | 対象・期間 | 免除の内容(現行・YA2020以降) |
|---|---|---|
| スタートアップ税制免除 (SUTE) |
新設法人の最初の3賦課年度(YA)。投資保有会社・不動産開発会社は対象外。20名以下の株主(うち1名以上が個人で10%以上保有)等の要件あり | 課税所得の最初の100,000SGDは75%免除 次の100,000SGDは50%免除 (最大125,000SGD/年が免除) |
| 部分免除 (PTE) |
SUTE終了後、およびSUTE対象外の会社すべてに自動適用(要件なし) | 課税所得の最初の10,000SGDは75%免除 次の190,000SGDは50%免除 (最大102,500SGD/年が免除) |
このほか、年度限定の法人所得税リベート(CIT Rebate)が出る年があります。YA2026 は法人税額の50%・上限40,000SGDです(CIT Rebate Cash Grant 2,000SGD を受給する場合は、その分を上限から差し引き)。率・上限は年度で変わるため、申告時点の最新値を弊社会計士が確認します。
一次ソース法人税率・SUTE/PTE・CIT Rebate:IRAS|Corporate Income Tax Rate, Rebates & Tax Exemption Schemes
キャピタルゲイン税・相続税・贈与税はゼロ
シンガポールにはキャピタルゲイン課税・相続税・贈与税がありません。資産の売却益や承継にかかる税の面でも有利です。経営者個人の所得税も最高24%・住民税ゼロで、日本(最高55%)より大きく軽い水準です。
国外源泉所得は「送金しなければ非課税」だが条件がある
シンガポールは原則テリトリアル課税で、国外源泉所得はシンガポールに送金され、受領された時点で課税されるのが原則です。逆にいえば、送金・受領がない限り原則として課税されません。ただし、シンガポール国内で営む事業から生じる外国所得は、受領の有無にかかわらず発生時に課税されます。また所得区分やFSIE(国外所得免税)の要件、みなし送金(deemed remittance)の判定によって課税される場合があります。加えて2024年からは、実体の乏しい法人が国外資産の売却益を得た場合に課税し得る新ルール(Section 10L)が導入されており、免税を受けるには適切な事業実体が必要です。「送金しなければ無条件に非課税」という単純化は禁物で、これも「実体を置けるか」という本ガイドの主題に直結します。
なお、日本との二重課税を調整するには、シンガポールの税務上の居住者証明(Certificate of Residence)を取得し、日星租税条約(DTA)を適用するのが前提になります。どちらの国でどこまで課税されるかは、居住地・実体・条約の3点で決まります。
日本との比較(早見)
| 項目 | シンガポール | 日本 |
|---|---|---|
| 法人税 | 一律17%(免除適用で初期は軽減) | 約30% |
| 国外源泉所得 | 送金・受領されるまで原則非課税(国内事業由来は発生時課税。要件・Section 10Lあり) | 原則、課税対象 |
| キャピタルゲイン・相続・贈与税 | ゼロ | 課税対象 |
| 個人所得税(最高) | 24%(住民税ゼロ) | 55%(住民税込) |
申告のイメージ
法人は年1回、ACRAへの年間報告(Annual Return)と、IRASへの法人税申告(Form C-S/C-S(Lite)/C)を行います。会計年度の締め、年次株主総会(AGM)、申告の段取りは設立後の運用の話なので、第7章でまとめます。
一次ソース申告の基礎・Form C-S/C:IRAS|Basic Guide to Corporate Income Tax for Companies
見落としやすい「日本側の税金」
シンガポールの税率だけ見て判断すると危険です。日本に関わりが残る場合、日本側の税制が効いてきます。
- タックスヘイブン対策(外国子会社合算)税制 税負担の低い国の子会社の所得を、一定の場合に日本の親会社・株主の所得に合算して課税する制度(日本・国税庁)。実体の薄い会社ほど引っかかりやすい
- 移転価格税制 日本本社とシンガポール法人の取引価格が不自然だと、利益の付け替えとみなされ調整され得る
「シンガポールで安くなった分が、日本側でそのまま戻ってくる」ことは実際にあります。両国を合わせた手取りで考えるのが鉄則で、ここはシンガポール側の会計事務所だけでも、日本側の税理士だけでも完結しません。フォーランドシンガポールでは、シンガポール側の実務と日本側の論点を突き合わせて設計します。
4シンガポール法人設立の流れは?(設立までのステップ)
現地法人(Pte Ltd)の設立は7ステップ。商号予約→書類準備→ACRA(BizFile+)へ登記→口座開設→資本金入金→就労ビザ、という順です。書類が揃えば登記自体は1〜3営業日。実務でつまずくのは登記ではなく「口座開設」と「就労ビザ」です。
現地法人(Pte Ltd)を作る場合の、設立から事業開始までの一本道です。
- 事業計画と会社形態の確定 何をやるか、株主・役員構成、資本金をざっくり決める
- 商号(社名)の予約 ACRAのオンライン窓口 BizFile+ に社名を申請・予約する(承認後は120日間確保)
- 書類の準備 定款(Constitution)、株主・役員情報、登記住所、ローカルディレクター・カンパニーセクレタリー(Company Secretary)の手当て(第5章で詳述)
- ACRAへ設立登記 BizFile+ で申請。必要書類が揃えば登記自体は1〜3営業日で完了。登記が完了するとUEN(Unique Entity Number)が付与され、設立の証明書類としてはビジネスプロファイル(Business Profile)が提供される
- 法人口座の開設 設立後に法人口座を開く。実はここが最初の関門になりやすい(第7章)
- 資本金の入金 株主本人の口座から直接、開設した法人口座へ払い込む
- 就労ビザ(Employment Pass(EP)など)の申請 経営者・従業員がシンガポールで働くために取得
書類さえ整えば登記は速い一方、実務でつまずきやすいのは「口座開設」と「就労ビザ」です。ここは設立後の章で実際のところを書きます。フォーランドシンガポールの実務では、登記より前にこの2つの通し方を設計しておくのが定石です。
一次ソース会社登記・BizFile+・UEN:ACRA
5シンガポール法人設立に必要な書類・要件は?
現地法人の設立には、会社名・定款・株主(1名以上)・ローカルディレクター(居住者1名以上)・カンパニーセクレタリー・登記住所・資本金(最低1SGD)が必要です。特に「ローカルディレクター」「カンパニーセクレタリー」「登記住所」は、外国から進出する場合に自前で用意しづらく、最初の関門になります。
現地法人の設立に最低限そろえる要件です。シンガポール特有の「現地で用意しなければならないもの」がある点に注意してください。
| 要件 | 内容 | 外国からの進出での注意 |
|---|---|---|
| 会社名 | ACRAの承認が必要(BizFile+で予約) | 制限語を含むと審査が長引く |
| 定款(Constitution) | 会社の基本ルール。多くはACRAの標準定款を採用 | — |
| 株主 | 1名以上(個人でも法人でも可)。外国人100%出資も可能 | — |
| ローカルディレクター (現地取締役) | 1名以上はシンガポール居住者である必要 | 外国人だけでの設立で最初に詰まるポイント。名義貸しの手当てが必要 |
| カンパニーセクレタリー (会社秘書役) | 設立後6か月以内に有資格者を選任する法定義務 | 自前で有資格者を確保しづらい |
| 登記住所 (Registered Address) | シンガポール国内の物理的な住所が必要(私書箱は不可)。営業日の通常営業時間中、公衆がアクセス可能であることが要件 | 現地拠点がないと用意しづらい |
| 資本金 (Paid-up Capital) | 最低1SGDから設立可能 | ビザ審査・銀行・取引先の信用の観点で、実態に見合った額が実務的 |
「ローカルディレクター(名義貸し)」「カンパニーセクレタリー(会社秘書役)」「登記住所(バーチャルオフィス)」は、外国から進出する場合に自前で用意しづらい部分です。フォーランドシンガポールはこれらに会計・税務・給与計算(accounting, tax & payroll)を加えた法人設立+運営支援パッケージとして提供しているため、はじめての方でも要件を満たして設立し、そのまま回していけます。
ここでいう名義貸しのローカルディレクターは、単に名前を貸すだけの形式的な存在ではありません。ACRAに登録される法的責任を負う”実在の取締役”で、会社法上のすべての法定義務(full statutory duties)を負います。この責任があるからこそ要件として機能する、という点を理解しておくと、後々のトラブルを避けられます。
一次ソース設立要件(ローカルディレクター・カンパニーセクレタリー・登記住所・最低資本金):ACRA
6シンガポール法人設立の費用はいくらかかる?
公的な登録料はACRAへ合計315SGD(商号予約15SGD+設立登記300SGD)。これにカンパニーセクレタリー・登記住所・ローカルディレクターなどのサービス費用が乗ります。弊社の料金は初年度 月額130,800円(1,090SGD)/2年目以降 月額117,720円(981SGD)(いずれもGST9%込・1SGD=120円換算)、別途初回のみセキュリティデポジット360,000円(3,000SGD)(サービス終了・登記抹消時に清算のうえ返金)。比較は「初年度いくら」より「2年目以降いくら」で。
費用は各社が明示しないことが多く、調べても「お問い合わせください」で止まりがちです。ここでは相場の考え方と、フォーランドシンガポールの料金をそのまま公開します。
費用の内訳(何にかかるか)
- ACRAへの公的な登録料 商号予約15SGD+設立登記300SGD=合計315SGD(登記自体は1〜3営業日)
- サービス費用 カンパニーセクレタリー・登記住所・ローカルディレクター手当など、外部に委託する部分
- ランニングコスト 会計・税務顧問などの継続費用
設立そのものより、毎年のランニング(カンパニーセクレタリー・会計・コンプライアンス維持)が継続的に効いてきます。「初年度いくら」だけでなく「2年目以降いくら」で比較するのが正解です。
フォーランドシンガポールの料金(透明開示)
| 項目 | 金額(GST9%込) |
|---|---|
| 初年度(月額) | 130,800円(1,090SGD・GST込) |
| 2年目以降(月額) | 117,720円(981SGD・GST込) |
| セキュリティデポジット | 360,000円(3,000SGD)(別途・初回のみ/サービス終了・登記抹消時に清算のうえ返金) |
料金はすべてGST(9%)込み・1SGD=120円換算で表示しています。GSTは2024年1月から9%です。セキュリティデポジット360,000円(3,000SGD)は月額とは別建て・初回のみです。サービス終了時、または会社の登記抹消(ストライクオフ)時に、未払いの費用・債務がすべて清算されていることを条件に返金されます。
料金を先に出すのは、後から見積もりで驚かせないためです。
総額でいくらかかるか、ご自身のケースでお見積もりします。
無料相談・お見積もり一次ソース公的登録料・GST率(9%):ACRA/IRAS|GST Rate Change
7法人設立後にやることは?(口座・資本金・ビザ・年次申告)
設立登記はスタート地点。この後、①法人口座の開設 → ②資本金の入金 → ③就労ビザ(Employment Pass(EP)など)の取得 → ④毎年のコンプライアンス(会計・AGM・年間報告・税務申告)と続きます。実務の関門は口座開設とビザで、「設立できた=口座も作れる」ではありません。
設立登記はゴールではなくスタートです。会社を「動く状態」にするための手続きが続きます。
① 法人口座の開設(最初の関門)
シンガポールの法人口座開設は、近年マネーロンダリング対策の強化で審査が厳しくなっています。事業実体・株主構成・取引予定の説明を求められ、形だけの会社は開設を断られることもあります。「設立できた=口座も作れる」ではない、と理解しておくのが大事です。
② 資本金の入金
設定した資本金を、株主本人の口座から直接、開設した法人口座へ払い込みます。
③ 就労ビザ(Employment Pass(EP))の取得
経営者・従業員がシンガポールで働くには就労ビザが必要です。代表的な Employment Pass(EP) は、シンガポール人材開発省(MOM)が定める最低給与要件(Stage 1)と COMPASS(ポイント制・Stage 2) の両方を満たす必要があります。
| 項目 | 現行(MOM公表値/最終更新日時点) | 2027年1月以降の新規申請 |
|---|---|---|
| 最低給与(一般業種) | 月5,600SGD〜(年齢が上がると上昇、45歳前後で最大 約10,700SGD) | 月6,000SGD〜 |
| 最低給与(金融業) | 月6,200SGD〜(同・最大 約11,800SGD) | 月6,600SGD〜 |
| COMPASS(ポイント制) | 給与・学歴・従業員国籍の多様性・ローカル雇用への貢献の4項目に、ボーナス項目(スキルボーナス・戦略的経済優先分野ボーナス)を加えて点数化し、合計40点以上で通過(固定給 月22,500SGD以上はCOMPASS免除) | |
※ 既存パスの更新(renewal)は、2028年1月以降に期限を迎える分から新基準が適用されます。
MOMは2027年1月以降の新規申請から、EPの最低給与を一般業種 月6,000SGD/金融業 月6,600SGDに引き上げると公表しています。現行基準(5,600SGD/6,200SGD)で申請できるのはそれまでの間だけ。シンガポール進出とビザ取得を検討しているなら、基準が上がる前に、設立から申請までの段取りを設計しておくのが実務的です。
現行基準のうちに間に合うか、設立からビザ申請までのスケジュールを無料相談で確認できます。
無料相談する要件は年々厳しくなっており、給与水準や会社側の体制で結果が変わります。EPの給与基準・COMPASSの詳細は改定が続くため、最新値は弊社で確認します。
フォーランドシンガポールの就労ビザ(EP)取得実績は、弊社取扱109件中103件が取得(約94%・2026年4月時点)です。MOMの基準に沿って事前確認を行ってから申請しています。内訳は就労ビザ取得サポートのページに掲載しています。なお個別の事情により結果は異なり、取得を保証するものではありません。就労ビザ取得サポートは2,000SGD〜で、法人設立+運営支援パッケージとは別途です。
一次ソースEP最低給与・COMPASS:MOM|Employment Pass Eligibility
④ 会計・AGM・年間報告(毎年のコンプライアンス)
設立後は毎年、次のコンプライアンスが必要です。これを回し続けるのが「会社を持つ」ということで、フォーランドシンガポールの会計チームが代行します。
| 手続き | 期限の目安 | 提出先 |
|---|---|---|
| 会計帳簿の作成・財務諸表 | 会計年度ごと | 社内保管・報告に使用 |
| 年次株主総会(AGM) | 非公開会社は法定要件を満たせば免除。免除されない場合は会計年度末(FYE)から6か月以内に開催 | — |
| ACRAへの年間報告(Annual Return) | FYEから7か月以内 | ACRA(BizFile+) |
| 法人税申告(Form C-S/C-S(Lite)/C) | 毎年11月30日 | IRAS |
8シンガポール法人設立でよくある失敗・落とし穴は?
最大の落とし穴は「箱だけ作って実体を作らない」こと。ペーパーカンパニーは口座開設で断られ、税制優遇も受けられず、日本側のタックスヘイブン対策税制で課税され得ます。ほかに、ローカルディレクター・カンパニーセクレタリーの後回し、資本金1SGDのまま、片方の国だけで節税判断、就労ビザの軽視が典型です。
相談でよく見かける「やってしまいがちな失敗」を挙げます。
- ペーパーカンパニーは通用しない 実体のない会社は、口座開設で断られ、税制優遇も受けられず、日本側のタックスヘイブン対策税制で課税され得る。設立は「実体をどう作るか」とセットで考える
- ローカルディレクター・カンパニーセクレタリーを後回しにする これらは設立要件・法定義務。手当てしないと設立も維持も止まる
- 資本金を最低額(1SGD)にしてしまう 設立はできても、ビザ審査・銀行・取引先の信用で不利になる。実態に見合った額を
- シンガポール側だけで節税判断をする 日本側の税制を見落とすと「下がったはずの税が日本で戻る」。両国合算で考える
- 就労ビザを軽く見る 要件は年々厳格化。給与・体制を設計せずに申請して落ちると、再申請のハードルが上がる
要するに、シンガポール法人設立は「箱を作る作業」ではなく「実体をどう設計するか」です。ここを一緒に詰められるかどうかが、専門家を選ぶ基準になります。
9設立後の「住む・働く・回す」まで一気通貫でできる?
できます。フォーランドシンガポールは、設立 → 就労ビザ → 住居 → 不動産管理(PM)までをワンストップでカバーします。会計事務所単独では出せない範囲で、経営者本人の「住む・働く・回す」まで窓口を分散させずに進められます。
会社を作って終わりではありません。経営者本人がシンガポールで暮らし、働き、事業を回していくところまでが現実です。フォーランドシンガポールは、会計事務所単独では出せない範囲をワンストップでカバーします。
- 設立 現地法人(Pte Ltd)の設立・要件の手当て(本ガイド)
- 就労ビザ Employment Pass(EP)などの取得設計・申請(取得実績 弊社取扱109件中103件/約94%・2026年4月時点)
- 住居 赴任後の住まい探し
- PM(不動産管理) 物件の管理・運用まで
住居・不動産まわりは、グループの不動産サイトで対応しています。設立から生活の立ち上げまで、窓口を分散させずに進められるのが弊社の強みです。
10監修者紹介・よくある質問・無料相談
監修者
本ガイドは、フォーランドシンガポールの Selene Xu/Director 兼 カンパニーセクレタリー(会社秘書役)・CA (Singapore)(シンガポール勅許会計士) が、数値・税制・ビザ要件を確認・監修しています。現地で実務に当たる有資格者が内容に責任を持ちます。
本ガイドは、フォーランドシンガポール(Foreland Realty Network Singapore Pte. Ltd.)Director 兼 カンパニーセクレタリー(会社秘書役)・CA (Singapore)(シンガポール勅許会計士)である Selene Xu が、監修時点で適用される法令・規則および行政ガイダンスに基づき、内容の技術的正確性を確認したものです。本監修は法務・税務その他の専門的助言を構成するものではありません。個別の状況については、専門家にご相談ください。
監修日:2026/07/13
よくある質問(FAQ)
日本に住んだままシンガポール法人を作れますか?
設立自体は可能です。ただしローカルディレクター(居住者要件)や登記住所など、シンガポール側で用意すべき要件があります。また「実体をどこに置くか」で税務の扱いが変わるため、設立可否と節税可否は分けて考える必要があります。フォーランドシンガポールが現地要件を手当てします。
シンガポール法人設立の費用は総額いくらですか?
公的な登録料はACRAへ合計315SGDです。弊社の場合、初年度は月額130,800円(1,090SGD)、2年目以降は月額117,720円(981SGD)(いずれもGST9%込・1SGD=120円換算)。別途、初回のみセキュリティデポジット360,000円(3,000SGD)(サービス終了・登記抹消時に、未払費用の清算を条件に返金)です。内訳は第6章に公開しています。
会社を作れば本当に節税になりますか?
シンガポールで実体のある事業を営む場合は大きく効きます(創業初期は実効税率が一桁台になるケースも)。ただし実体が薄いと、日本側のタックスヘイブン対策税制で結局課税され得ます。ご自身のケースが得かどうかは、無料相談で試算できます。
シンガポールの法人税率は何%ですか?
一律17%です。スタートアップ税制免除(SUTE)や部分免除(PTE)により、創業初期で課税所得が小さい範囲では実効税率が一桁台に収まるケースもあります(IRAS)。ただし利益規模が大きい場合や投資保有会社など対象外業種では17%に近づきます。
設立にはどれくらいの期間がかかりますか?
書類が揃えば、ACRA(BizFile+)での登記自体は1〜3営業日で完了します。実務のボトルネックは登記ではなく、その後の口座開設と就労ビザです。
最低資本金はいくらですか?
制度上は1SGDから設立可能です(ACRA)。ただしビザ審査・銀行・取引先の信用の観点で不利になるため、実態に見合った金額を設定するのが実務的です。
現地に住んでいなくても設立できますか?
可能です。ただし、シンガポール居住者のディレクターを最低1名置く必要があります(ローカルディレクター要件)。外国人100%出資のPte Ltdでもこの要件は必須で、弊社が名義貸しで対応します。
カンパニーセクレタリー(会社秘書役)は必ず必要ですか?
必要です。設立後6か月以内に有資格のカンパニーセクレタリー(会社秘書役)を選任する法定義務があります(ACRA)。弊社の法人設立+運営支援パッケージに含まれています。
就労ビザ(Employment Pass(EP))は取れますか?
現行基準で最低給与(一般業種 月5,600SGD/金融業 月6,200SGD)とCOMPASS40点以上が条件です(MOM・最終更新日時点)。なお2027年1月以降の新規申請からは、最低給与が一般業種 月6,000SGD/金融業 月6,600SGDに引き上げられます(更新は2028年1月以降に期限を迎えるパスから適用)。フォーランドシンガポールはMOMの基準に沿って事前確認を行ってから申請します。取得実績は弊社取扱109件中103件(約94%・2026年4月時点)です。個別の事情により結果は異なり、取得を保証するものではありません。
法人口座の開設は難しいですか?
近年のマネーロンダリング対策の強化で、審査は厳格化しています。事業実体・株主構成・取引予定の説明が求められ、形だけの会社は断られることもあります。「設立できた=口座も作れる」ではありません。
シンガポールと日本、どちらで税金を払いますか?
事業の実体がシンガポールにあればシンガポール課税が基本です。ただし日本に関わりが残ると、日本側のタックスヘイブン対策税制・移転価格税制が効きます。両国を合わせた手取りで考えるのが鉄則です。
スタートアップ税制免除(SUTE)とは何ですか?
新設法人の最初の3賦課年度(YA)に適用される免除制度です。課税所得の最初の100,000SGDを75%、次の100,000SGDを50%免除します(IRAS・YA2020以降の現行値)。投資保有会社等は対象外です。
GST(消費税)の登録は必要ですか?
過去12か月で課税売上が100万SGDを超えた場合、または今後12か月で超える見込みの場合に登録義務が生じます(IRAS)。税率は9%(2024年1月〜)。なお、国外顧客向けの輸出・国際サービスはゼロ税率(0%)扱いとなり、判断基準や実質負担が変わる場合があります。B2Cの価格表示はGST込が原則です。
設立後、毎年どんな手続きが必要ですか?
会計帳簿の作成、AGM(非公開会社は法定要件を満たせば免除。免除されない場合は会計年度末(FYE)から6か月以内に開催)、ACRAへの年間報告(Annual Return・FYEから7か月以内)、IRASへの法人税申告(Form C-S/C-S(Lite)/C・11月30日期限)です。フォーランドシンガポールの会計チームが代行します。
フォーランドシンガポールに依頼するメリットは何ですか?
現地会計士(CA (Singapore)・Selene Xu)による監修、料金の透明開示、そして設立 → 就労ビザ → 住居 → 不動産管理(PM)までの一気通貫です。会計事務所単独では出せない範囲を、日本語ネイティブでカバーします。まずは無料相談でご相談ください。
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